Stanley Clarke - Stanley Clarke

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Stanley Clarke - Stanley Clarke (1974)
Stanley Clarke

 70年代に出てきたジャズ・フュージョン系の世界だとベースって楽器が一気にクローズアップされてバンドの主役になることを証明してしまったとも言える。その中ではスタンリー・クラークやマーカス・ミラー、ジャコパスというような時代を切り開いたベーシスト達がいて、そのどれもがロック側への接近を果たしている。またロック側からもベックを筆頭にこのあたりの連中とのセッションを果たしたクロスオーヴァーな世界を生み出している。リアルで体感してたら相当ワクワクするような出来事だったんだろうなぁ…と思いつつも後追いになるとその辺の空気感も読み取れずに好き嫌いで音楽を選んでるからなかなか気づかずにいてしまうのもあってもったいなかったなぁ…、

 Stanley Clarkeのソロ名義二作目にあたる「Stanley Clarke」は1974年にリリースされている。冒頭からあのベースだけでなくてドラムも何もガツンとカマしてくれていて、明らかにロックに振ってるアルバムというのは分かるだろう。チック・コリアの呪縛から解き放たれて、ヤン・ハマーとトニー・ウィリアムスというパワフルな布陣と共に自身のベースもブリブリと弾きまくるというアルバムで、ビル・コナーズのギターもなるほどそう来たかという感じで明らかにロックセッションの様相を示している。この後ジェフ・ベックが接近してきたのもよく分かるアルバムで、このままロックの世界にいても良かったんじゃないか?ってくらい。本人もだから故なのかベックとの邂逅を果たしてからあのニューバーバリアンズに参加してしまったワケで、ライフスタイルはロックなんだろうな。

 若かりし時代の産物というのもあるし、歌も歌ってたりするから決してフュージョンという枠組みじゃ括れないし、かと行ってポップでもないから正にこの頃、新しいクロスオーヴァーな波が来ていたという代表的な作品かもしれない。音楽を楽しむには、熱い演奏を楽しむにはジャズもロックもない、というのはこういう形で証明されていった。一方ロックが子供だましというだけではなくしっかりと音楽的な面でのスタイルもあることがこうして認識されていったのもあるか。それにしてもトニー・ウィリアムスのドラムの心地良い事…、ヤン・ハマーは昔は好きじゃなかったけど、ミニムーグの音色はやっぱり独特で個性的だし、プレイスタイルもかなり個性派だからなるほどなぁ…と判ってきた部分はあるね。

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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

リターン・トゥ・フォーエヴァーの「第7銀河の讃歌」の翌年ですね。
ビル・コナーズはコロシアムIIのゲイリー・ムーアにも影響与えていますよね。
80年代に突然ホールズワース系になるけど(笑)。

2017/08/08 (Tue) 07:09 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>おっさん

追っかけたことないから分かんないんですけど、器用なんでしょうね。

2017/08/16 (Wed) 10:51 | EDIT | REPLY |   

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