Dio - The Last In Line



目立ちたがり屋さんではないギタリストの一人にヴィヴィアン・キャンベルという器用貧乏な人がいる。テクニックはバツグンだったし、それ故にメジャー所の人間と組むことで世に出たがっていたというのは若さゆえの野望だったのかもしれない。今となっては妙に冷静に見てしまうのだが、彼の渡り鳥的バンド人生を見るとそういう面が顕著に表れているように感じる。で、運が良かったのか、狙っていたのか知らないけど、見事にその野望を達成すべくメジャーなボーカリストと組む事が出来た。そう、レインボウからブラック・サバスへと渡り歩いた歌い手のロニー・ジェイムズ・ディオが自身の名を冠したバンド、ディオのギタリストの座を得たのだ。
まぁ、それで売れないハズもないとは思うのだが、実際はどうだったかと云われると、う~ん、最初のアルバム「Holy Diver」が一番気合い入っていてヴィヴィアン・キャンベルもここぞとばかりに弾きまくっていて面白いし、何と言ってもこのバンドのコンセプトがサバス上がりだからなのか、悪魔的なイメージを前面に打ち出しているってのも面白い。曲もその分疾走感溢れる曲ばかりでそういう意味ではかっこよかったんだけど、今聴くと凄く時代遅れの音に聞こえてしまうのは何故だろう?ジャパメタブームの時の音もこんな感じなので、メジャー路線ではきっちりとしたプロデューサーによる音作りだったのだが、ちょっと外れるとどうしてもマイナー的な音になってしまうのかな。でもしっかりとメジャーな人なので多分狙ったんだろう。
個人的にはセカンドアルバム「The Last in Line」やサードアルバム「Sacred Heart」辺りをちらちらと聴いていたけど、どうにもその白々しい…とは云わないがおどろおどろしいところがイメージ的に好きでなくてちょっと引いたような気がする。ま、それでも結構聴いたか(笑)。これも曲目見てなるほど~懐かしい~って感じだったからさ。聴いてみるとちょっと…「え?」って感じだったので音楽、特にこういうジャンルの音楽って古くならないようにするのって難しいんだな、と思った。しかしどこか英国的な香りがするのは英国のバンドを渡り歩いたから?
で、そのヴィヴィアン・キャンベルってアチコチ渡り歩くんだけど結局古株のデフ・レパードに落ち着くことになって、バンドの一員っつう隠れ家に安住しているみたいだな。
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