Tonton Macoute - Tonton Macoute

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 英国的なクールなと云うべきか物静かなと云う独特のしっとりさがモロに出ており、それがバンドとしてのサウンドの特徴にもなっているという例はよくあるのだが、そういった傾向はB級バンドには更に顕著に表れてくる傾向があり、多分滅茶苦茶マイナーな存在だと思われる一例をピックアップしてみたい。まぁ、なんだ、サウンド的にはファンタジー的傾向のあるジャズっぽいロック、みたいなところで漁っていたらこいつがあったなぁと久々に、実に二十年近くぶりに引っ張り出しただけなのだが(笑)。

 Tonton Macoute - 「Tonton Macoute

 1971年のリリースで多分唯一の作品のハズ。レーベルはネオンレーベルなのでこれまた貴重だったんだ…。ネオンってさ、11枚くらいしかリリースしてないんだけどレーベル面の美しさと残されたバンドの面白さから凄くレアなレコードになってるケースが多くて、これもアナログ時代にはまず見つからなかった。CDになったものを見て速攻で手に入れたパターンで、なるほどこういう音か…ってのが二十年近く前の話。

 まず、バンド構成がサックスやフルートをメインとする人間と、鍵盤系、それにベースとドラムという編成なので必然的にロックバンドにはならないワケだ。かと云ってソフトマシーンみたいに緻密なアンサンブルによって展開される構築美というものでもないので、果たしてどういうもんかと云うとだ…、やっぱプログレ、ってなるのかな(笑)。歌もあることはあるんだけど全く記憶に残らない程度のものでほとんどが延々と垂れ流されるジャズチックなサウンド、しかも管楽器によるものが多くなるのは当然で…、あ、そういえば不思議なことに歌は大して目立たないんだけど、コーラスワークみたいなのがあったりして面白い。やっぱロックだなぁ、こういうの聴いてると。で、やっぱね、静かなトコロでじっくりと聞き込まないと聞こえてこない緻密な音があったりするっつうのも英国的な面白さで、特に「Dreams」っつう曲の頭なんて普通に聴いてたら聞き逃しちゃうくらいの緻密さがあったりするんだよ。曲に入ってからは普通のプログレ的で、そうだな、キャメルみたいな部分もあるかな、これ良い曲かもしれん。

 うん、綺麗なバンドだよ。ジャケットが一目瞭然のキーフ作品で、中身をよく表してるね。あぁ、アナログジャケットで飾ってみたかったなぁ(笑)。B級呼ばわりされてるけど、今聴けばかなりしっかりした音で好まれるかもしれないな。うん、いいよ、これ。
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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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evergreen  

なんだか、色んなもの詰め込んでちゃちゃっと作っちゃったかな・・みたい。結構アシッド感(>。<)があるかな?
何とも中途半端な感じがGOOD!です。

2006/10/12 (Thu) 01:00 | EDIT | REPLY |   
フレ  
そうだねぇ

中途半端ってのは当たってるね(笑)。だからB級…なワケさ(笑)。

2006/10/14 (Sat) 19:15 | EDIT | REPLY |   

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