Yes - Relayer



70年代に一世を風靡したプログレバンドの代名詞でもあるイエス。一般的に名作と云われるアルバムには「こわれもの」や「危機」ってのがあって、もちろん確かにイエスの代名詞的アルバムに間違いないんだけど、自分的に一番かっこいいなぁと思えるアルバムってもしかしたら「リレイヤー」かもしれない。
このアルバムってブラッフォードもいないし、何といってもリック・ウェイクマンがいないのだからそれはどうかと言うのもあるんだけど、「リレイヤー」期のイエスが一番しっくり来るのだ。個人的には何度も書いてるけどダメなバンドのひとつで…何がって言うとまずジョン・アンダーソンの声がダメ。おかげで全ての楽曲を聴く気にならなくて(笑)、曲構成はさすがに超メジャーなバンドなだけあって、凄く面白くて展開も素晴らしいんで嫌いではない。シンフォニック系は基本的に好きなので大丈夫なんだけどあの声で全てが崩壊してしまう、みたいな(笑)。まぁ、好みだからしょうがない。あとはライブに於けるあまりにも完璧な姿。よく知らないけどライブでもスタジオでも全く同じ演奏ができてしまうし、もっとも複雑な曲ばかりなのでそこに遊び心が出てこなくってね、どれ聴いても一緒なんだよ。もちろんプロとしては当たり前で良いことなんだけど…、あとはリック・ウェイクマンの鍵盤ってのもあまり得意ではないかな。クリス・スクワイアのベースやスティーブ・ハウのギターは好き。ま、いっか(笑)。
で、その「リレイヤー」、なんつっても三曲しか入ってない。A面一曲B面二曲。大体長い曲ってのは色々なことをめまぐるしく展開しているので聴いていて面白いハズでこの場合もご多分に漏れず面白いのだ。過去のイエスって割と綺麗にまとまっていてクラシカルな特徴があったんだけど、このアルバムの場合はもちろんパトリック・モラツ加入ってこともあってプログレの根幹を成す鍵盤の音が変わった事で曲の持つ雰囲気がガラリと変わったみたい。鍵盤奏者の威力がこんなに顕著に出るのも珍しい…っつうかいかに鍵盤に頼っていたバンドかって事だ。んで、結局どうなったのかっつうと濃密になった。そんな気がする。なんかねぇ、音が詰まって聞く側に迫ってくるっていうの結構好きなんだよ(笑)。で、多分諸説を見るとジャズ的フレーズとクラシカルなフレーズが織り交ぜられて出てくるのでモラツの鍵盤は面白いって言われてて、ああ、多分そういうことなんだ、って思った。モラツが昔やってたバンドのレフュジーってトリオ…元ナイスのバックの面々と組んだバンドがあったんだけど、これはまたこれで面白いバンドで、アルバム一枚出てるんだけど、なかなかB級(笑)。いや、結構かっこいいし、パワーはあるので試しにっていうのは良いんだよ。
結局このアルバムだけで脱退してしまってまたウェイクマン復活ってなるんだけど勿体無いなぁ。結構秀作だと思うよ、「リレイヤー」はさ。ジャケもシックな見開きで、もちろんロジャー・ディーンで良いし♪パトリック・モラツは自身のソロアルバム「i~ザ・ストーリー・オブ・アイ」っていうこれまたプロフェッショナルなアルバムをリリースして、ソロミュージシャンとして活動を始めている。ま、これがあったから簡単にイエスを脱退できちゃったんだろうな。
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