The Eagles - Hotel California


1970年代後半、世の中ではディスコブームと騒がれ、一方ではウェストコーストロックの台頭が顕著になった頃、そしてそれらを見事に否定したパンクの勃発と大きな流れがいくつも重なり合った時期だ。中でもウェストコーストロックについては後にAORとして継承されるサウンドの原型とも云える部分が多く、その流れはアメリカ南部の香りから来ているんじゃないかと思うのだが…、イーグルスもそういった背景からシーンに登場してきたバンドのひとつだ。しかし、自分的には彼等のサウンドについて全く知らない。知っているのは一曲だけ。もちろん「ホテル・カリフォルニア」というベタなものしか知らないのであった…。
リアルタイムに経験していないし、ウェストコーストロックに傾倒したこともなかったので彼等の音楽に接することはほとんどなかったのだが、「ホテル・カリフォルニア」だけは中学生くらいの頃に初めて聴いて以来ずっと接している曲のひとつだ。MTV全盛期にバンバンあのライブ映像が流れていたってのが一番大きい理由だろうな。この曲の一番好きなところってのは各人色々あるだろうし、ウェブやブログでもかなり書かれているみたいなのだが、自分的には…、う~ん、かなりヘンなのかもしれないが、後半のギターソロの最中に奏でられるドン・ヘンリーのハイハットワークの音。「ツッーッ」っていう結構特徴的な箇所で特徴的に鳴るので耳を引かれる人も多いと思うんだが、ま、ちょこっとあちこち探索した限りでは見かけられなかった(笑)。うん、あそこが凄く好きでねぇ、だからと言って別にないんだけど(笑)。あとはもちろんギターソロ全般も素晴らしく組み立てられているし、二人のギターによるソロの持ち回りとその音色の使い方とかも気持ち良い。さっきのプロモビデオ版だとスクラッチプレイなんかも入ってて掛け合いが魅力的でさ…。これギター弾くと気持ち良いんだよなぁ。ただ、残念なのは何人もギタリストがいないと成り立たないってとこか(笑)。
それからよく取り沙汰されるのはこの曲の歌詞。まぁ、諸説色々あるみたいで麻薬の歌だとか悪魔崇拝だとかロックが終わった歌だとか素直にカリフォルニアの歌だとか…、そういう論争を巻き起こす仕掛けがあったんだろうなぁと。ジャケットからして決して明るくない印象を表現しているし、霊が写ってるというウワサを立てられたり…そういう戦略だったんだろうか。あんまりイーグルスのイメージでもないけど、意外とこのバンドって明るいだけのアメリカンバンドではなくって呪術的な面もあったりするのだろうか。「呪われた夜」と言うようなタイトルもあるくらいだからな…。
で、ようやく恥ずかしながら初めてアルバム「ホテル・カリフォルニア」を最初から聴きました(笑)。大体最初にこの名曲を持ってくること自体終わってるというのか、ありがたいと言うのか…、他の曲は全てシングルB面です、みたいな位置付けになってしまっているか…、いや、それで聴いたんだけど、初っ端がこれなので他が全然面白く聞こえない(笑)。普通のレベルで言えばかなり高いレベルの音楽をやってるってのはわかるんだよ、わかるんだけど、引っ掛からないんだよなぁ、これはしょうがないけど。逆に言えば「ホテル・カリフォルニア」という曲だけが浮いているんだよね。悪魔が乗り移ったかのようにこの曲だけが異質。やっぱり何かあったのだろうか?なんて考えると更に面白くなるね。
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