The Allman Brothers Band - Live At The Fillmore East

9 Comments

 やはり本場アメリカ南部の音は違った。時代は1970年、クラプトンの望郷の彼方を手伝った男、デュアン・オールマンの属する、と言うよりも彼のバンドだったオールマン・ブラザーズ・バンドに脚光が当たったのはやはり英国のブルースギタリスト、エリック・クラプトンとの共演によるところが大きいだろう。サンフランシスコでのムーヴメントは終焉を告げ、敬愛するマイク・ブルームフィールドなども放浪の旅に出た頃に南部の土臭い香りを引っ提げて思いっ切りブルース以外の何物でもないサウンド、しかしそれはサザンロックと後に命名されるひとつの垢抜けたアメリカならではのサウンドが世界を制する時代がやってきたのだ。

 若かりし頃にブルースにハマって、それから流れでサザンロック系統に進んだんだけど今はあんまり聴いてないので、実に久々にサザンロック系のサウンドに手を出しているんだけど、えらくかっこよくって聴きやすい。いわゆる白人ブルースのサウンドとも違っててなんか洗練されているんだよね。しかもその中でも最高の名盤「Live At Filmore East」なワケで、このアルバムから更に深みにハマっていこうともこれ以上のものに出会えることはあまりないだろう、ってなもんだ。それほどに最高の瞬間が押さえられている名盤だね。昔は9曲入りの二枚組で、あちこちのアルバムにバラバラで破片が収録されてたりしたんだけど、今はデラックス・エディションのCDで一応ライブの流れ通りに編集されて聴けるみたい。…とは云え、やっぱ二枚組アルバムを聴いていたのでなかなか曲順に馴染みがなくってやはり二つとも聞き分けるのかなぁと、そんな感じだが…。

 いや、ほんとこのライブアルバムは凄い。初っ端からロック以外の何物でもなくって更にそれがビシビシと刺さるように響き渡ってくる。もう圧倒的にデュアン・オールマンの才能が張り巡らされているくらいに輝いていて、プレイヤー志向の人が聴くと相当まいっちゃうアルバム。でも決して走りすぎてなくって、ゆったりと進んでいるっていうサザンロックと呼ばれる所以でもあるレイドバック風のね、でも熱い演奏。1971年の2月のライブっていうから、しかもフィルモアだからなぁ、狭くて熱気ムンムンの名所でバンドもノリに乗ってる時期のライブ。リリースはバンド側の強引な思い込みで重役連中はシブシブリリースしたって云うから、相当の自信…だっただろうなぁ、こんだけの演奏してれば。これをリリースしないことを考えたレコード会社ってのも問題だよ(笑)。

 この後「Eat A Peach」制作中にバイク事故での早すぎる死もまたオールマンの歴史だろう。どうしてもサザンロックには悲劇がつきまとっているようだ…。このアルバムも素晴らしいんだけどね。ちょっと前の時期のライブ盤「Live At American university 1970」ってのも同じ布陣でリリースされているのでこちらのライブも興味あるなぁ。
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フレ
Posted byフレ

Comments 9

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千里  
そうだった

この方々も課題に入っていたのでした。でも自分で買わないといけないんで後回しにしてたらすっかり忘れてました。。。

入り口としては、このライブ盤を聞くのがよいでしょうか?

2006/08/30 (Wed) 12:51 | EDIT | REPLY |   
リュウ♪  

最近購入したばかりです、デラックス・エディション!Disk2が特にお気に入りです!
渋い掛け合いがたまりません。
昨日もこれ聴きながら書いていました!
この人は本当に天才ですね♪

2006/08/30 (Wed) 19:50 | EDIT | REPLY |   
evergreen  

ライブ盤が凄いと思いますが、個人的にはEAT A PEACHが亡くなったという悲しみのこもった何ともいえない切ないアルバムで大好きです。
その後”BROTHERS &SISTERS"が大ヒットしましたよね!あれから好きになった人も多かったような・・・
このバンドも、私の老後の楽しみです。

2006/08/31 (Thu) 00:06 | EDIT | REPLY |   
フレ  
さんくすっ!

>千里さん
あ、入ってましたか(笑)?入り口としてはこのアルバムしかないっつうくらいに最高にかっこいいっす。これでダメならこの辺取っつけないんじゃないかなぁ。それくらい名盤ライブだと思いますよ。

>リュウ♪さん
うん、最初から全て気合い入ってて、長い割に結構一気に聴けるよね。デュアンとディッキーのギターの差ってすごくあるのがよ~くわかってしまうのもあるかな。リズム隊とか含めてやっぱこの空気が凄く良い感じですな。

>エヴァ姉さん
やっぱ「Eat A Peach」も思い入れはあるでしょうねぇ。自分的にはライブ盤でしたけど、後で知ってへぇ~、って感じ、つまりデュアンの死を知らずに聴いたけど違和感あまりなかったってのもある。その後はあんまり聴いてないなぁ。老後の楽しみか…、そういう時が来るといいんだけどなぁ…。

2006/08/31 (Thu) 21:13 | EDIT | REPLY |   
崩壊の二日後  
23歳?

このアルバムは何度聞いたかわかりません。頭の中で一度「ステイツボロ・ブルース」が始まると、アルバムの最後まで曲の数々が頭の中を駆け巡ります。ジャケットのDuanの表情が好きです。特に初っ端の「ステイツボロ・ブルース」と、中ほどの「エリザベス・リードの追憶」がお気に入り。これでDuanが23歳くらい(死んだのが24だとすると)なんて、とても信じられない。

2006/09/01 (Fri) 13:34 | EDIT | REPLY |   
フレ  
23歳、か…

ども♪
聞き込んだアルバムだとこのデラックス・エディションって違和感ありますよね?嬉しいんだけど別物、みたいな(笑)。しかしそうですね、23歳、でしょ、多分。恐ろしい…。

2006/09/01 (Fri) 23:12 | EDIT | REPLY |   
波野井露楠  

調子にのって2つもTBしてしまいました(^^;)。
お許しを!
オールマンのライブ音源は本当にカッコいいですね!
あんな風に即興演奏できたら、どんなに気持ちよいでしょうか(^^)。

2006/11/25 (Sat) 13:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
波野井露楠さん

大丈夫っすよ~♪
まぁ、即興であんなに弾けたら間違いなくプロっす(笑)。

2006/11/25 (Sat) 19:29 | EDIT | REPLY |   
zagan  
ありゃりゃ

ケースしかない・・・
中身はどこに行ったんだろ (;;

2007/10/08 (Mon) 01:00 | EDIT | REPLY |   

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