Cream - Disraeli Gears
一般的にクリームのイメージはスタジオ盤で聴けるテクニカルでポップなロックバンドというものなのか、「クリームの素晴らしき世界」の後半で聴けるアドリブバリバリのバンドなのか、なかなか掴み所がないようだ。こないだの再結成クリームはかなり話題となったものの演奏内容はどちらかと言うと前者をなぞったようなもので、その歴史的意義は大きかったもののファンの期待も大きすぎたというところか。
まぁ、なんだな、要するにスタジオアルバムの作り方とライブでは全くアプローチが異なっていて、自分的なイメージではやっぱりトリオの音のぶつかり合いってのがこのバンドの醍醐味であって決してスタジオ盤による楽曲の良さなんてのは求めてなかったんだよね。これもまた賛否両論だろうけど、クリームって良い曲とかカッコイイ曲が少ない。でもバンドの演奏力とかライブでアプローチしている姿は凄く新鮮でかっこいい。だから好きなバンドではあるけどその反面スタジオアルバムはあまり聴かなかった。ま、今でもあまり聴かないけどさ。
…とは云え、60年代後期短命ながらもロック史においては非常に重要な役割を果たしたバンドだし、革新的なステージを行っていたワケで、そのライブとスタジオアルバムとの格差をよしとする手法はザ・フーなんかに相当影響を与えたみたい。ビートルズはスタジオアルバムをライブでは再現できないとしてライブを行わなくなったし。そういうワケからいつもライブ盤を聴いてて、面白い事にそういう風に感じていたのはレコードを発売する側にも同じコトが云えたらしく、ライブアルバムがいっぱい出てる。「クリームの素晴らしき世界」、「Goodbye Cream」「Live Cream」「Live Cream Vol. 2」などなど…。
で、今回はなぜか彼等のセカンドアルバム「カラフル・クリーム」なのだ。いやぁ、ブログ仲間が取り上げたの見て、ああ、これもあったなぁ、なんて思い出して(笑)。ジャケ見て中味が全部聞こえてくるんだからやっぱ結構聴いたんだろうな。残っている印象…全体的にモコモコで軽いアルバム。でもなんか変な空気が詰まってる。そんな感じだった。まぁ、それで久々に聴いたワケだが…、各曲ごとに書いていくのは時間の関係上割愛(笑)。でもさぁ、初っ端の「Strange Brew」なんてクラプトンがジョン・メイオールのトコでやってたのと似たような曲で、ジャック・ブルースの冗談みたいな歌がクリームらしいっていうところかな。しかしクラプトンのこのマイルドなギターは絶品だね、ほんと。そういう風に感じるのは「Swlaber」も同じかな。そして人気抜群の「Sunshine Of Your Love」…久々にスタジオ盤聴いたなぁ(笑)。昔どうやったらこのギターのトーンが出るのか一生懸命研究してたけど、結構シンプルに出るものだった…いや、機材の問題(笑)。不思議だよな、クラプトンってヤードバーズの頃に「For Your Love」がイヤでバンド辞めたのにこの曲はよかったんだ、って思うんだよ。えらくキャッチーでポップって意味では同じように聞こえるんだが…、勘違い?ま、それにしてもこの曲は名曲ってことに変わりはないし、何つってもホントにギターソロが口ずさめるくらいキャッチーでテクニカルで、なんつってもこのトーン…しつこい(笑)?これが良かった。丸ごとギターでコピーすると凄く勉強になる曲。余談だけどこれをジミヘンがやる時にはあのスピードになるってのも大変気持ち的によくわかるのだ。次の「World Of Pain」では効果的なワウペダルの使用がインパクトあって、やっぱ「White Room」に繋がる音ってことで○。曲はまぁ、60年代サイケポップかな。そういう意味では「英雄ユリシーズ」も似たようなトーンだね。それとロックらしいかっこよさを持ってるのが「Outside Woman Blues」かな。スタジオ盤だから音がえらくマイルドにまとめられてるけど、ギターもベースもドラムも好き勝手やってて、それでいて数少ないかっこいいって思える曲。あんまりライブバージョンって聴いたことないけど、なんでだろ?派手さがないのかな。
う~む、やっぱ今聴くと良くできてるアルバムだな、と再度痛感。各楽器の音がそれぞれ際立ってるのも聴きやすい理由かもしれんね。ちょっと前にデラックスエディション2枚組がリリースされて、ボーナストラックとかいっぱい付いてたみたいだけど割と不評(笑)。マニアからしたらボックスとかに分散されて既発ものだったからということらしいけど、そんなにマニアでなければおいしいCDだと思う。クリームのスタジオアルバムか…、とは言っても3枚くらいしかないんだよな。
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