Jack Bruce - Live '75

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Jack Bruce - Live '75 (2011)
Live '75

 聞き手がエネルギーやパワーを感じるバンドって実はバンド側のエネルギーやパワーの消費が激しいとも言える、即ちエネルギー保存の法則が働いているものだ。だから大抵そういうエネルギッシュな濃いバンドは長続きしないし、そのバンドが終わった後のメンバーのソロ作を聴くと実に大人しい作品が多くて大抵盛り上がらずにつまらないアルバムとして評される。ジャック・ブルースという人ですら当てはまる構図だったようで、もちろん音楽的にベース的にハードな事はやっていたりするけどクリームほどの白熱ぶりはない。まぁ、そりゃそうかと。いつまでもあの世界を求めてはいけない…。

 クリームが解散してから精力的にソロアルバムやセッションアルバムをリリースしてきたジャック・ブルースが1975年頃に面白い面々を集めてライブを行っている。ギターにストーンズを離脱したばかりのミック・テイラー、鍵盤にカーラ・ブレイという布陣。スタジオ・アルバムはリリースされなかったけどライブ盤「Live '75 」が出ていた。聴いてみるとちょっと意外な感じの音で、どっちかっつうとフュージョンに近いかもなぁという雰囲気だが、今に至るまでのジャック・ブルースの音からすると、まぁ、わからなくもないか。いつもギタリストにそれらしい人物を持ってきてセッションアルバムやライブを行うが、それが毎回テクニカルな人ばかりなのでどうしてもフュージョンに近い音になるのだろう。自身で歌も歌うからヴォーカルはいらないし、だから故ベースだけ弾いていれば楽しめるというのもあるか。メンツに期待するほどの音が出てこないライブだったのがちょっと残念だけど、まだまだ発展途上なセッションだったのかな。簡単に言えば皆が皆個性は出してるけど目立つ方向ではないし、音楽的にここだ、というツボを見つけている感じでもない。

 結局この人、クリーム以降は細々とした活動ばかりになってしまってメジャーシーンに躍り出てくることはあまり多くなかった気がする。ゲイリー・ムーアとジンジャー・ベイカーと一緒にやったのくらいは話題になったが、それくらい。再結成クリームの時はクラプトンの威光で実力を再度示したという部分があるが…。深堀りしていくと実は相当いろいろな人とセッション活動しているので面白さはあると思うんだがそこまでハマりこめないってのもあるし、どうにも勿体無いと言うか孤高の人と言うか…。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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クリタカ  
グッドフィーリングではありますが・・・

 昔、ジャック・ブルースものなら何でも買い漁ってた時期がありました。しかし、その参加作品のあまりの多さに途中で集めるのを諦めました。ジャズ、フュージョン系とか趣味の範疇外のも結構ありましたし・・・
 ゲスト参加の作品はともかく、彼主導の作品群には売れたものは見当たりません。よって「CREAM以降は細々と・・・」といわれるのは仕方ありませんよね。フレロックでも以前紹介されていたWEST,BRUCE & LAINGはいい仕事だったと思いますし、大好きなミュージシャンの一人なんですがねぇ。技巧派ゆえフュージョンライクってのも納得ですね。ベースという楽器に固執しなければ別の道も開けたかも知れません。
 この「Live '75」はレコード会社から発売を拒否されたスタジオ作「Jet Set Jewel」と一緒に2003年に発掘音源としてリリースされたモノです。3回と通して聴いてなかった盤ですが・・・ヴォーカル入りのフュージョンだわ、確かに(笑)。

2013/09/01 (Sun) 22:27 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>クリタカさん

正にその通りでして…、残念感が多い人です(笑)。

2013/09/02 (Mon) 18:49 | EDIT | REPLY |   

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