Millenium - Exist

日夜色々と聴き続けて何となくの忘備録としてブログに書いているものもあれば感動した記録として書いているものもある。基本的には自分が感動したいから音楽を聴いているワケであって、つまらんもんを聴いていたくはないが、つまらんものはつまらんという記憶と記録がある方が良いな、という考え方もあって書いてる。大体のバンドのアルバムについては基本肯定的に聴こうとしているし、あとは好みの問題でしかないから自分がそのアルバムをあと何回くらい聴くかな?ってのを自分の好きキライの基準値として持っている。聴きたくて聴かないアルバムもあれば聴いておかないと、と思いながら聴かないアルバムと聴く気もないけどなんか良く聴いてるアルバムなんてのもあったりしてよくわからん(笑)。ただ、言えるのはアルバムタイトルとバンド名を見て自分が聴く聴かないを選べるくらいには知らないといけない、ってことだ。自宅でCDやMacなんかを眺めながら選んだりするなら、多少は記憶がなくても良いけど、iPodや車なんかに入れていると何で入ってるんだ?ならともかく、何これ?ってことになりかねないからさ。まぁ、入ってれば多分どっかで気に入ったから聴こうと思って入れたんだろう、ってことで聴くのだが…。
2008年にリリースされたMilleniumというバンド…ポーランド産の8枚目くらいのアルバム「Exist」です。冒頭の駄文はコイツを聴いている時に思ったことで、この「Exist」がかなり気に入ったからだ。結構気を入れて聴いているし、自分の琴線に触れる部分が多かったから全部のアルバム聴いてみようかな、なんて無謀なこと考えていたりね。簡単に言うとピンク・フロイドの世界観そのままです。しかもギターがよく鳴ってて泣いてて、ギルモアよりも泣いてるしそのメロディの組み方も美しく日本人の演歌に近いセンスってのがポーランドと日本の嗜好性…民族的嗜好性の近さなのかも、と思う次第。ただ、それだけでなくってしっかりと鋭角的なロックな部分も持っていてガシガシとそのヘンが刺さってくるのが嬉しくてさ。雰囲気だけで攻めてくるのかと思ったらしっかりとそんな風にロックしてたりして…実はプログレバンドとして語られる必要性がないバンドなんじゃないか?ってかプログレらしい曲をそんなに感じることもないんだが、どうなんだろ?多分このアルバムに至るまでには色々とそういう試みもあったんだろうけど、シンプルに魂を訴えるロックとしてこういうスタイルを取ってみたらかなり本物だった、って話かと。アルバムが全4曲でどれもこれもが大作ばかりってのも面白いし、それぞれの大作がダラダラと長いのではなくって聴かせるべき部分をキチンと聴かせ、泣かせるトコロはきちんと泣かせるという作り込みの高さがバンドのレベルの高さを物語っている。更に言えば、それでも無駄な音は見事なまでに削ぎ落とされているから邪魔な音を耳にすることはなくアルバムに没頭できる。そしてロックだ。
10分以上ある曲ってのは何かをやらかしてくれているから大抵は面白いものに仕上がっているハズで、「Exist」でもそれは偽りなくかなり面白い展開と音が詰め込まれている。メッセージもあるのだろうが、それよりも楽曲構成のシンプルさと雰囲気が気に入っている。しかもアルバム最初の曲が「Embryo」だ。もちろんピンク・フロイドのアレとは違うのだが、やっぱり一発で覚えてしまうよね、この単語(笑)。次が「Up & Down」って曲なんだが「Us & Them」に見えてるもんな(笑)。「Rat Race」はさしずめ「炎」で「Road To Infinity」は「狂気」かな…。更に全体的にはロジャー・ウォーターズのソロアルバム的な雰囲気が漂うのだから興味を惹かないワケがない。いくつかポーランド産アルバムやバンドを聴いてきたが「Exist」は多分その類の中では最高傑作だと自分では思うね。見事。コピーバンドでもなく自身達の音として70年代フロイドを昇華させているからか。いいな~、これ。
- 関連記事
-
- Moonrise - Stopover Life
- Millenium - Exist
- Quidam - Quidam