The Police - Zenyatta Mondatta

ロックってそんなに長々と聴かれていくもんだとはあんまり誰も思ってなかったんじゃないかな。今の時代になると40年前の〜とかあるからクラシック的な立ち位置にもなるのかもしれないな、ってあるけど、昔はやっぱ一過性のもんでしかない、っていう風に思ってた。だから一生懸命コレクトしたりして自分だけで守ってたんだろうと。80年代の音楽なんて消耗品でしかなかったし、その中にいくつか本物のロックバンドがあったとしても自分的にはガキの頃だから対して区別は付かない。ただ、スリリングなカッコ良さがあったとかそんなん。深い意味でロック的なのなんて全然理解できなかったからリアルタイム的にキチンと聴いてたってもんでもないな。
The Policeのサードアルバム「Zenyatta Mondatta」は1980年の作品で、パンクムーブメントを利用してシーンに出て来たってのもあってスリリングさや疾走感溢れる楽曲とソリッドな印象で人気を博した気がするんだが、それもムーブメントが終焉に向かえば自身たちのオリジナリティを全面に出して勝負しに行ったってトコか。この「Zenyatta Mondatta」はそんな第一歩かもしれない。ロック的感覚では初期の2作が圧倒的にスリリングで尖ってるんで刺激的だが、「Zenyatta Mondatta」はちょいと和らいで音楽的にちょいと懐の深さを出している?って感じ。もちろん悪くないんだが、何か知的さが漂う。スティングのベースが圧倒的に普通と違うってのは誰が聴いてもわかるだろうし、アンディ・サマーズのギターだって当時じゃかなり革新的なんじゃないか、っつうくらい手数が少なくシャープな音でオシャレですらある。スチュワート・コープランドのドラムも個性的だよねえ。この人の場合はビートで、っていうのが面白い。だから基本シンプルな音なのに幅広いサウンドがウケた、The Clashなんかも同じ類な進化とも言えるけど音楽的な地力の違いが大きいか。
「Zenyatta Mondatta」は自分的には若干後追いだったので当時ピンと来なかった一枚。もちっとキャッチーなのが欲しかったかな。今聴けばそんなこともなくなるほどね〜って曲が多いのはわかるんだが、やっぱりガツン、がない。ヘンにこじゃれているっつう感じで音楽しすぎてるかな。「Do do do de Da da da」があるけど…、それ意外とのギャップが大きい。その次に来る曲なんて実験的サイケデリックですらあるし(笑)。って感想をどのアルバムにも持つので、自分的にはポリスってのは最重要バンドではない、ってことなんだな。それでもアルバム5枚しかないから全部聴いてるし何度も聴くんだけどね、それくらいには好きです。
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