ザ・ストリート・スライダーズ - JAG OUT

80年代の日本のロックって結構青田刈り状態でバブリーだったんだろうけど、それでもやっぱり質の高いバンドや音楽がきちんとメジャーで出て来た気がする。序盤はCBSソニーが色々と出してきてその後はビクターかな。真ん中に徳間ジャパンとかトイズファクトリーなんてのが出てくるけど、何となくそんなイメージ。もちろん当時はそんなレーベル別になんて意識なく見たり聴いたりしたけど、どこか自分でも洋楽ロックと邦楽ってのは別物と捉えて聴いてた感じ。あとアイドルも別モノだったが(笑)。
EPICソニーからのデビューとなって結局20年間存続し続けたザ・ストリート・スライダーズ。1984年リリースの「JAG OUT」なんてのを聴いてみた。当時も聴いてたけど、もちろんその頃とは自分のロックの知識とか聴き方が全然違うんで全く異なる聴き方が出来ておもしろかった。冷静に考えれば30年近く前の音で、彼らも20代なワケだが、驚くばかりの完成度の高さと音楽的な個性の持ち主だったってことを改めてね、認識。もちっとストーンズコピー的なもんだと思ってたんだけどさ、甘かった。
冒頭の「Tokyoジャンク」からして強烈なナンバーで、当時もカッコ良いな、と思ったけど良いね。ザ・ストリート・スライダーズってホントシンプルな音の出し方で、ギターにしてもレコードで2本しか聞こえない。ソロとかではもうちょい出てくるけど基本的にライブと同じ感じでのレコーディングスタイルなのか、右チャンネルにハリーのギター、左チャンネルに蘭丸のギター。昔は蘭丸のギターが何をしてるのか全然わからなかったんだが(笑)、そうか、全編ソロ弾いてたようなものか。ハイコードとオブリのオンパレードだけというギタリストって珍しいわな。意外なことにベースラインもかなりランニング…と言うか、裏メロディスケールを奏でていて、曲の骨子を支えると言うよりも曲のドライブと隙間を埋めるサウンドのような役割で面白い。そんな事意識しなかったから今聴いてみて彼らがやりたかったサウンドとか進んでみたかった音ってのが結構オリジナルだってことに気づいた次第。
もっとも歌だって個性的な声だし、特徴的なバンドだったんだな。アルバムで言えば「JAG OUT」は割と地味なアルバムなんだろうけど、実験的な側面はいくつもの曲で聴けるし、ストーンズ的ではあるけど、「チャンドラー」なんて意外とフリーっぽいんじゃないか?とかね。意外と侮れないバンドで、コイツしか出来ないぜ、みたいな不器用さはあるけどその分カッコイイなってのもある。福生で鍛えたスピリッツは確実にロックを奏でてるってのがあっていいな。
…にしてもザ・ストリート・スライダーズってソニー系だからiTunesにはないのか…、アマゾンじゃプレミアだし、なんだろな〜聴かせる気ないんだろうかとも思っちゃうが、中古CD屋行けばそれなりの値段で買えるんだろう。
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