Gastunk - Dead Song

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DEAD SONG GASTUNK EARLY SINGLES GASTUNK EARLY SINGLES
 自分の好きな日本のバンド群の中では多分五本の指に入るのは確実なんだが、それがまさかインディーズのバンドになるとは本人も思ってなかったんだが、ロックを聴き始めて20年以上の月日が流れた中、実に多種多様のロックを聴いた。それでもこのバンドのかっこよさは今でも褪せることなく結構なヘビロテで聴くことが多いのだ。そして今でも飽きないし、もっともっと聴きたいと欲求を募らせる、そして聴く度に生き返ったような刺激をもたらしてくれるのだ。

 「ガスタンク」=「GASTUNK」

 メジャーデビューしてからは「GASTANK」になってるんだけどもちろんインディーズの頃のが圧倒的に好き…というか、滅茶苦茶カッコイイのだ。記憶が正しければシングル三枚出した後に超名作「DEAD SONG」と言うファーストアルバムをリリースして、これも当時で一万枚くらい売れたようだが、ハードコアパンクそのものなのに「Heartful Melody」と呼ばれる旋律が奏でられていたり歌われていたりするので、凶暴さと美しさが同居している作品。まずはシングル三枚の方だが、今では「GASTUNK EARLY SINGLES」というCDで聴けるので以前に比べて入手が容易になったのは嬉しいね。どれもこれも良いが、三枚目のシングル「GERONIMO」が何と云っても最高にカッコイイ曲ということに疑いはない。正にタイトル通りインディアンの登場としか思えないアコギを掻き鳴らしたイントロからスネアロールのドラミングが加わり、更にあのバキのシャウトボイスによる雄叫びでノックアウト。こないだYouTubeで探したらこのシングル発表後のライブの模様がアップされていたのでつい見入ってしまった。これってさ、ギターソロもメロディアスで良いんだけどこの頃ギターのタツってまだ17,18歳くらいだったんじゃないかな。さすがにマイケル・シェンカー好きなだけあっていいセンスしてるんだよなぁ。

 で、超名作アルバム「DEAD SONG」だ。もうジャケットからしてインディーズの香りがプンプンしていて、裏ジャケ見るとなるほど、って思うのもあるんだが、やっぱりインディーズってだけあって音の作りがやっぱりちょっと物足りないが、これはしょうがない。もちろん中に詰まっているサウンドには何の影響も及ぼさないし、CD時代なんてのが想像できなかったワケだからまあ、よしとしよう。冒頭「黙示録」…いきなり超重苦しい地獄の底で鳴っているようなイントロに単調ながらもスリリングで何かが飛び出してきそうなリズムとハードなギターがメロディを刻む…そして地獄の底から唸るようなボイスが響き渡る、正にガスタンクの序章らしい楽曲で緊迫感が漂うね。そして地獄からのボイスだけがしばらく残り、何かを呼び出しているような被せ方に続いてノイズ混じりの混沌とした音の洪水の中から紡ぎ出されてくる歪みまくったギターリフから始まる「Night Sight Light」では早くもバキの独特の歌声によるシャウトともメロディアスとも云える歌が心地良く叫ばれ、タツのギターソロにしても見事な展開を持った一級のプレイで、もちろんベイビーのベースは一糸乱れぬヘヴィーさと正確さを持って迫ってくる、そして間髪入れずにハードコアパンクの真髄とも云えるようなパワーに満ち溢れた「War Bird」がまたしてもBakiの強力なハートフルメロディーと共に聴く者に戦慄を与えてくれる。更に続けて叩きのめされるのはもう暴れ出したくなるようなリズムとパワーを叩きつけてくる「胎児(SAD)」。若者だろうと年寄りだろうとこのヘンまで来るとホントに血が騒いでくることは間違いないね。ベイビーのベースがもの凄い音で掻き鳴らされているのがクローズアップされているのも特徴的で、暴力的なガスタンクというバンドの真骨頂を体現しているとも云える。

 アナログ時代ではB面に突入して先ほどまでの暴力的なハードコア路線から少々離れたベースのリズミカルなイントロに合わせて始まる軽めのリフから始まり、ちょっと息を抜けるかと思いきや、それは全く単なるイントロであり、A面どころではないくらいに究極のハードコアパンクとも云えるエネルギーで本当に聴く者をぶっ壊すパワーで迫り来る「Computer Crime」…楽曲として捉えてもリズムや雰囲気が変わりつつもこのハードコア路線で貫けるという意味ではかなりレベルの高い曲だが…、そんな冷静に語っていられるような場合ではないな(笑)。やっぱB面も恐ろしいわ。で、またしてもタツのギターとベイビーのベースが絡み合って紡ぎ出されるサウンドの中にBakiの美しいメロディが溶け込む、素晴らしき「Lastest Dream」…。単調な面もあるが、ここはバキのメロディと表現力の豊かさでハードコアパンク調ながらも5分間という長い曲を持たせているが、最後の最後で新たなリフによる展開を見せてフェイドアウトしてしまうのだが、これだけで立派な曲ができると思うようなリフなのだが、惜しげもなく単なるエンディングで使ってしまうのは自信の現れだろう。で、お~、またか~、もうダメだ(笑)。最高にハードコアパンクな曲「Inter Lader」が始まってしまう。こんなのライブで聴いてたら多分ホントに暴動起きてもおかしくないもん。それでもタツのギターやバキの歌にはしっかりメロディがあるので単なる単調なパンクに終わらないで音楽としてきちんと聴けるんだよな。でもやっぱ2分半が限界。さあ、ここまで来たらもう最高の二曲しか残っていないが、まずは「The Eyes」。ガスタンク史上でもかなりの名作に入るバリバリのハードコアサウンドと美しきサビのメロディが重なり合った傑作で、ギターの旋律も当然良いのだが何と云ってもハーモニックスのタイミングがもの凄く心地良いし、ギターソロも見事なまでの凶暴さと色気を持っていて、特に後半でのメロディアスなリフレインについては、日本で最高のものと言っても過言ではないくらいに美しいフレーズを奏でているのだ。傑作中の傑作。そして…、そしてガスタンクの、いやロック史永遠の名曲「Dead Song」。ここまで来てようやく単なるハードコアパンクではない証とばかりに美しくも激しい楽曲を見せてくれるのだ。美しいアルペジオギターにこれまた素晴らしいメロディを刻むベースラインが絡み、そこへハードなギターが登場してこれ以上はないくらいに素晴らしいハートフルメロディが歌詞そのままに歌われ、これしかないっていうギターソロが続く…、そして美しきアルペジオと風の音に包まれる中間部の後エンディングに向かいこの素晴らしいアルバムは終わりを迎えることとなるのだ。

 …やっぱ疲れるけどカッコイイよなぁ、聴く度に刺激を受けて、目付きが悪くなるかもしれん(笑)。彼等もルックスではキワモノ的なものあったけどそれ以上に音楽もしっかりしていたんだよね。もっともっと受け入れられても良いバンドだと思うんだが、そうじゃないところに留まっていたのも好きかな。う~ん、以降はまた今度書こうっと♪

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フレ
Posted byフレ

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たらー(BLOODSHED  
はじめまして

つい、GASTUNKの記事読んでしまいました。自分も好きで、このバンドがいなければ、日本の音楽聞いてなかったかもかも知れません。
DEVILを聴いた時は衝撃でしたね。
たまに、バンド内でもコピーして、やりますよ。
リンク貼っても良いですか?
もう貼ってしまうので、問題あったら言ってください。
すぐ削除いたします。
よろしくお願いします。

2006/06/24 (Sat) 02:34 | EDIT | REPLY |   
borntobe_heavymetal  
TBありがとうございます

TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきたいと思います。
ブログざっと拝見させていただきましたが、かなり広い範囲で音楽を楽しんでいらっしゃいますね。私も実はHMだけではなくあんな物からこんな物まで聴きます。またゆっくり拝見させていただきます。

2006/06/25 (Sun) 01:31 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>コメントありがとう!

>たらーさん
お~、「Devil」やりますか…。まだ出来る範囲内かなぁ…。これが「The Eyes」とかになると結構ギターが大変でして(笑)。あ、リンク問題ないっす。楽しんで下さい♪

>borntobe_heavymetalさん
あれこれ見て楽しんで頂ければ、と思います。「 ヘビィメタルでいこう!」の方もお邪魔しますね♪

2006/06/25 (Sun) 23:49 | EDIT | REPLY |   
reizi  
はじめまして^^)

TBありがとうございました・・・!
浅い知識しかないロック初心者、追い討ちをかけるかのように恐ろしく稚拙な文章力の記事を書くたびに凹んでいるのですが(笑)
GASTUNKホントカッコイイですよね!
車内爆音で仕事で抱えたストレスも一掃です~☆

2006/06/27 (Tue) 04:26 | EDIT | REPLY |   
MekeMeke  

>フレ様

ガスタンクは一種ワン・アンド・オンリーでしたよね。パンクともメタルともいえずってスタンスが貴重でした。

メジャー行ってハードロックっぽくなってしまったのが残念です。

2006/07/30 (Sun) 13:40 | EDIT | REPLY |   
ミュジニー  
なるほど..

ここで書いてたんですね!
DEAD SONGはかなりインパクトありました。
実は、現役時代のLIVEは見たこと無いんです。
1stシングルのガスタンクっていう曲も知らないんです...

2007/01/06 (Sat) 17:52 | EDIT | REPLY |   
Cottonwoodhill  
熱の入った記事ですね

熱の入った記事ですね。当ブログの紙ジャケ発売情報で取り上げたのですが、はすかしながら私は全く知りませんでした。今回の発売は気にかけておきます。

2007/08/24 (Fri) 19:13 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>Cottonwoodhillさん

もうねぇ、最高にかっこよいんっす、このバンドは。日本で一番かもしれん(笑)。

2007/08/24 (Fri) 20:31 | EDIT | REPLY |   
あをちゃん  
はじめまして!!!

高校生(20年以上前)からの、ファンですが、ここを見つけて、ホントにうれしいです!(^^)!
去年のツアーには残念ながら行けませんでした(涙)私、離島に住んでますので...
個人的には、THE EYESと、Necrophobiaが好きです。他も、もちろん大好きですが!
初期は、ハードコア、後期はハードロック色が強くなったかなと、思っていますが、
ガスタンクは、ガスタンク!!で、ジャンル分けは、あまり意味がないかなと、
自分では思っています(笑)ずっと昔に、ある雑誌で、ガスタンクって、感情移入できるというか、
色々な感情が爆発しているバンド(曲)だと、書いてありましたが、自分もその通りだなと、
当時も今も思っています!!私も、自分なりに色々なバンド(曲)聞いてきましたが、
やはり、ガスタンクが一番、最高です!!!

2011/10/18 (Tue) 06:45 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>あをちゃん

いや~、熱いコメント感謝です♪
なかなかこの世界って入れる人いなくて、自分で勝手に宣ってるだけなんですけど(笑)。
最近のはさすがにパワーダウンしてるけど、昔のは今聴いても燃えます、ってかよく聴く…。
そういえば新曲も思い切りガスタンクしてますね。

2011/10/18 (Tue) 20:34 | EDIT | REPLY |   
タンクローリー  
LIVE観たいな

彼等は私の中学の頃のアイドルで私はジュリアード狙える位のクラッシックピアノの腕前だったけどハードコアも物凄く好きでした。クラッシックもPUNKもハードコアも似た様な物と捉えてましたから。そして放送委員会のアナウンサーだったので昼休みに彼等の曲もかけてましたよ。当時LIVEに行きたかったのですがBABYのメイクが怖くて行けませんでした。最近のYouTubeで彼等の最近のLIVEを拝見しましたがBAKIが坊主でショック。ロン毛もう無理?問題児らしいTATSUはどうなってるのやら?メンバーでは彼が好きでしたが。機会があったら是非LIVEに行きたいです。K-POPなんざぶっ壊してしまえばいい。

2012/03/16 (Fri) 07:52 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>タンクローリーさん

クラシックとハードコアが同じようなものって凄い感覚な気が…。
それでもそんな方から好かれてたガスタンクってやっぱ妙な魅力があります。
当時はホント恐いバンドだったしねぇ。ファンも恐かったし、そういう伝説も今思えばなるほど、と。
Bakiちゃん坊主頭でもぜんぜん迫力変わらなかったです。
Tatsuはもうかなりホンモノになってるので別の迫力ありすぎですが、全員存在感は重くなってる感じ。
こういうバンドがまたシーンで盛り上がってくれれば軟弱なのは全部消えてくれるんですが…。

2012/03/16 (Fri) 17:56 | EDIT | REPLY |   
はいほらりん  

なんだか同窓会的なのりが。
当時、リアルタイムでばりばり聴き&ライブ行きまくっていたアラフォー親父です。初めて買った音源はドグマのB面SHOUTが入ったシングル(これは売らずにいまだ手元にある)。こちらのDEAD SONGのレビューにあるように、そうなんよね。彼らは当時から、アルバムなりシングルなり常に構成を意識していた。黙示録からNIGHT~へあえてくぎりをつけず収録。シングルDEVILからSEXもそうか。
最後にLIVEを見たのが赤坂BLITZ、HIDE追悼。完全復活してからはお目にかかっていないが、彼らと彼らを支持する人々がGASTUNKであることが嬉しい。

追記:高校時代、空手道場へチャリをこぎながら胎児SADでBAKIの「びぇ~!」を聴きながら通っていたのもまた懐かしい。いやあぶねーよ。事故おこすって。

2012/04/03 (Tue) 22:54 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>はいほらりんさん

そりゃもうその時期知ってる人ならねぇ…(笑)。
自分が最後に見たのはちょっと前のロフト…DVDになってるヤツですね。赤坂とほぼ同じですが、さすがに勢いが…。
でもね、やっぱり美意識高いところがカリスマですよ、Gastunkは。やっぱいつ聴いても最高なんです。
気合入ります。チャリ、事故っても多分車に勝てる気分だったと思います(笑)。

2012/04/04 (Wed) 21:48 | EDIT | REPLY |   
中1~インディーズにはまり  


’86.7.12新宿ロフト思い出す
かっこよかったなぁー
会場で、豆腐ぶつけられたBABYが怒り心頭だったの思い出す
その時GHOULやLip Creamのメンバーが居たような記憶もある

モヒカンのおにーさんについて行って
UKエジソンまで『TO FANS』をもらいにいって
最終電車がなく野宿したな

GASTUNKやLAUGHIN' NOSE、THE WILLARDと
BIG3の中で、私の中ではGASTUNKが一番だった

2012/05/22 (Tue) 15:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>中1~インディーズにはまりさん

一番コワイ時期じゃないですか、その頃。
しかも「To Fan」なんてホントに初期ですね。羨ましいです。

Big3…、いや、もう圧倒的にGastunk No.1でした、自分。
Laughin' Noseはちと軽かったし、Willardは雰囲気がダメだった。
懐かしい時代だ…。

2012/05/23 (Wed) 23:10 | EDIT | REPLY |   

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