Soft Machine - Fourth


ストーンズのライブ聴いてたらさ、もう普通のロック聴いてもかっこ良い〜って燃えられないな〜とか思ってしまって、そりゃ他にもあるんだろうけど、何か素晴らしく燃えてしまったので、ちょっと小休止。ってことで先日はまるで異なる世界を聴いていたりしたんだが、今回もまた別の世界を堪能しよう。そういえばロンドンオリンピックの閉会式にはレイ・デイヴィスが出たりThe Whoが出たりするらしいが、前回からの繋ぎとなったJimmy Page氏は特に何もなし?ストーンズは?みたいな不思議はいくつか…。それぞれ大人の事情なのだろうが、もうロックという世界からはかけ離れた存在になってきたなぁ。
今回のソフト・マシーン「Fourth」。1971年リリースの個人的には大好きなバンドで、それは多分音楽的に凄く好きと言う意味でもなくて、難解だから、ってのとか不思議で追求しきれない音だから、ってのもあるが、そもそも独特の世界に位置しているバンドだから、ってのが大きい。当初こそサイケデリック・ロック的に出てきたんだが、その後カンタベリー独特の世界からジャズともフュージョンともロックとも言えない世界を構築。最終的にはまぁ、あまり好みでない音を出すバンドになってしまったんだけど、そういう意味では自分の好きな音世界の幅を広げてくれたバンド、ってことになる。最初期の音はロックとして入り口的に聴いておくような音=60年代サウンド、中期はロックのフリーフォームからフリージャズに至るまでのインプロ中心の70年代へ、そしてロックとジャズのクロスオーバー臨界点から先、即ちフュージョンと呼ばれる世界への到達=個人的に臨界点超えのため対応不可、みたいなね。まだまだ全然聴けてないバンドだし、これからも聴いていかないといけないバンド。今回でほぼオリジナルアルバムはこのブログで書いてしまうことになるけど、まだまだねぇ…。
1971年リリースの「Fourth」。初っ端からとんでもなくハイテンションなジャズ。そう、ジャズ。コントラバスが底辺を響かせて管楽器が宙を舞う、歪んだオルガンがそこに入り交じって浮遊している、そしてこんなにジャズアプローチが上手いのかと思わせるドラマー、ロバート・ワイアット。更に完璧に作り上げられたフリーインプロビゼーションの世界とそのテンションの高さ。演奏としても緊密な世界を発しているし、曲そのものの良し悪しは演奏そのもの、とまで言い切れるくらいのテンションなので…、あ、そりゃそうです、ボーカルないんだから(笑)。ま、よくある論議として「ロックなのか?」だけど、明らかにロック。ジャズ的ではあるけどジャズじゃない。ヨーロッパのジャズと比較すればややこしいけど明らかにいわゆるジャズではない。ロックだよ。英国のフリージャズってジャズじゃなくてロックだし。ま、いいんだけどさ、そんなの。
細かいことは色々なサイトに書かれてて、ロバート・ワイアット最終参加作品とかエルトン・ディーン参加作云々とか…、ただ言えるのは一人でじっくりとそれなりの音量でそれぞれの楽器の出番を聴いて音を追いかけていると空間の音世界が広がる素晴らしいサウンドってこと。今じゃ多分リマスターとかして音良くなってるんだろうからもっと楽器の分離度が高いのかな。そうするともっと迫力あるだろうね。自分のは古いアナログだからそこまで分離してないけど。しかし、フリーインプロと言いつつも、楽器が戦っていることはなくて調和している方なので、頼もしい。B面にあたる「Virtuality」は賛否両論だけど、プログレッシブロックと言って差し支えない演奏と組曲に仕上がっていて、ジャズ的サウンドとは一線を画している部分もあって頼もしい。ある意味ロックとの決別もあるのかもしれない。多分彼ら自身はそういうのあんまり考えなかったんじゃないかな。唯一無二の世界を作り上げていった方が大きいし、それをどう判断するかなんてのはリスナーの勝手だし。そういう孤高感が凄くかっこ良いバンド。
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