



過去の全てに別れを告げて、新たなる意気込みと新たなるサウンドに挑戦し続ける男、
デヴィッド・ボウイ
。彼もまた80年代ポップシーンにおいて重要な役割を果たし、ボウイ自身の歴史からは既に抹殺されている時代ではあるが今回の切り口はエイティーズってことなので彼の歴史そのものの肯定否定論は抜きにして語っていこう(笑)。
クイーンがレコーディングしているスタジオに遊びに行って即興で出来上がった曲が「Under Pressure」で、フレディが生きている間はクイーンでのライブで聴くことはあってもボウイのライブで聴くことはなかったが、フレディ追悼コンサートにおいて、ボウイと"絶世の美女"
アニー・レノックス
のデュエットにより新たな息吹を与えられてこの曲は再度スポットが当てられることとなった。90年代中期に作られたPVではアニー・レノックスの映像がとことん消されて、あたかもボウイとフレディのデュエットというような作り方になっていて、それまでを知っているとえらく興醒めしてしまうものだったが、元々のPVは工場地帯のモノクロっぽいやつであんまり印象に残ってない。しかし、この時の
アニー・レノックス
との共演は正にハイライトシーンとも云えるもので、演劇派ボウイとアニーによる二人の世界を演出した素晴らしいもので、当然フレディの高音パートをアニーが歌い上げるというものなので文句なし。最高の一幕だったなぁ。
で、話は80年代に戻って、ボウイさんの80年代と言えば、もちろん
「Let's Dance」
ですね。タイトル曲の大ヒットもさながらのこと、「Modern Love」というかっちょいい、正に80年代のサウンドをしたポップソングもチャートを駆け上り名実共にスーパースターとなったボウイ。このアルバムのギタリストにはあの
スティーヴィー・レイ・ヴォーン
を起用して、単なるポップスター的アルバムには仕上げなかったボウイのギタリストへのこだわりもあったのか、おかげで
スティーヴィー・レイ・ヴォーン
は一躍若きロックスター&ブルースメンとしての知名度をアップした。何せその時の評判は「あのアルバート・キングみたいに弾くギタリストは誰だ?」ってのが話題だったくらいだから。ツアーを蹴ってソロアルバムの売り込みに奔走した
スティーヴィー・レイ・ヴォーン
はその後超メジャーな人となることは言わずもがなか。
また話を戻して、もう一曲売れたのが「China Girl」。キャッチーなラブソングで胸がちょっと苦しくなるような切なさももっている名曲でPVで中国人との恋物語ってのも多分結構なタブーに近いモノあったんだと思うけど、印象的だったね。で、後に有名になるんだけど、この曲はもともと77年頃にボウイがイギー・ポップの制作に絡んだ時にイギーにあげた曲だったワケさ。イギーの
「Idiot」
ってアルバムに入ってるんだけど、これがまた全然暗いイメージのアレンジで同じ曲がここまで変わるのかってくらいに変わっている。そのセンスは凄いものがあるよね。ちょっと後にボウイは再度イギーのアルバムの制作に関わるんだけど、面白い時期だね、ほんと。
んなことで、ボウイの
「Let's Dance」
、もしくは
「シリアス・ムーンライトツアー」のライブビデオ
はこの時期を通るならば見るべしって感じ。今のDVDだと絶版だった「リコシェ」っていうボウイが中国公演を行った時のドキュメンタリー映像も入っているんじゃなかったっけ?入ってなかったらこれも探すの大変だろうなぁ。。パワーステーションサウンドも完璧で聴いていて気持ち良いサウンドだよね。
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