May Blitz - The 2nd of May


70年代英国アングラハードロック伝説、もうちょっと続きます(笑)。Three Man Armyあたりからどうにも人脈関係が広がってしまって収集つかなくなってるんで色々と聴いてしまったんです。面白くて。まぁ、考えてみればクラッシュもボウイもムーディ・ブルースもベックも何も全部繋がってしまう人脈図になっちゃうんだよね、英国ロックの歴史ってのは。もちろん個人名で全部は覚え切れないので資料漁りが必要になるんだが、今じゃネットで簡単に調べられるし便利なもんだ。そんなことを常日頃から行いながら、ほほぉ~、そういう繋がりの人だったのか!とか驚きながら聴いている今日この頃、いつまで経ってもやってること変わらない自分にややうんざりしながら子供のようにはしゃいでいる自分もいたりする。男の子は無邪気なものだ(笑)。
1971年一部では英国最高峰のハードロックバンドとして名を馳せている?かもしれないメイ・ブリッツのセカンド「2nd of May」がリリース。それはもう世間に知れ渡って…なんてことはまるでなく、ひっそりとVertigoからリリースされたのでした。Three Man Armyとの絡みはもちろんドラムのトニー・ニューマンですね。元ジェフ・ベック・グループという肩書きを最初に持ったので以降の活動がやりやすくなったことは間違いないトニー・ニューマン、ならばいっそメジャーシーンの連中と組んで稼げば良かったのに、そちらには行かずに感性と人脈でバンドを組み続けていったウチの最初がこのメイ・ブリッツ。元Bakerlooというこれまたマイナーなバンドの連中と組んで16歳くらいのギタリスト入れて作ったバンドで、そのセカンドアルバムなんだからそれなりに評価されていたとは思うけど、さすがにパンチが足りなかったか、本作にて終了。
ただねぇ、音は確かにトリオ編成とは思えないほどにカッコ良いんです。Three Man Armyに比べたら全然洗練されているし、メジャーシーンに出れる音作りにもなっているからもうちょっと売れても良かったと思うんだけどあと一歩の個性の無さの問題かな。ギター、ベース、ドラムのトリオで演奏するハードロックってのはもう他にもいくつもあったし、出来る音楽性にも限りがあっただろうし、ってことか。それにしてこの「2nd of May」で聴ける音のカッコ良さはユニークだ。ベースがグイグイドライブしていてドラムはもう圧倒的に曲を引っ張っていくので、問題はギターなんだが、いや、ヘタじゃないよ、もちろん。ただ、まだまだフレーズの多様さが足りないからかやや冗長な感じが出てきたりする時があって残念。それでもアドリブパートの思いきりの良いギターはやっぱり見事。このジェームス・ブラックって若者がどういう人生を生きているのかちょっと調べた程度ではわからなかったんだけど、シーンでは名前聴かないからどうなんだろうな。
それはともかく、B級とメジャーのボーダーライン際にあるようなメイ・ブリッツの「2nd of May」、ルーツがまるでわからないハードロックという意味でかなりオリジナルではある、が…と思うものの、やはり聴きたくなるしつこさっつうのがあって好きな人のみ楽しむ音、ですな(笑)。
- 関連記事
-
- Patto - Monkey's Bum
- May Blitz - The 2nd of May
- Steamhammer - Speech