King Crimson - Lizard

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King Crimson - Lizard (1970)
Lizard: 40th Anniversary Series (Wdva) Islands

 2011年最後の日になってしまったが、それなりに一年を振り返ってみれば多分色々あったんだと思う。ロック的にはどうか?やたらとデラックス・エディションが目に付いたのと再発盤ばかりによるリリースだったか。往年のアーティストによる新作や再結成はもう日常になりつつあるので今更と言うものでもないし、新しいジャンルとの出会いってのも今年はあんまりなかったかな。印象深いのは色いろあるけど、2011年のベスト!とか出来ないんだよねぇ、何かありすぎるし、多分聴く度に気分でベストが変わるからだが(笑)。そんなことでアレコレ勝手気ままに書いている当ブログ、既に7年目に入っているというのは我ながら恐るべし継続力…、そしてほぼ一日一枚のペースで書き続けているのも驚異的な継続力…、昨今TwitterやFacebookで手軽にコミュニケーションを楽しむ方がラクなのかどんどんブログを書いている仲間が減っているのだが、ま、それも時代か。ブログが一番書きたいことを書き続けられるツールなので、まだ当面役に立ってくれるだろう。Twitterは案内しかできないしやっぱ呟きでしかないもんね。Facebookはそもそも面倒で古くからのネットユーザーからしたらちょいとハードル高いし…、そのヘンのツールもまだまだ進化していくだろうけど、母体となる記事の貯めこみ場所は必要でしょ。ってことでまだまだ続きます「ロック好きの行き着く先は…」ブログ、本年もありがとうございます。

 2011年最後のレビューはキング・クリムゾンの「Lizard」。1970年暮れに発表された3枚目のアルバムにして既にセッションバンドになっていた作品。既に40年の歳月が経過しているが一向に風化する気配すらないこの辺りのプログレバンドの作品。中でもキング・クリムゾンが一番商売熱心=ユーザー泣かせなバンドだね。オリジナル盤からリマスター×数回、そして30周年、40周年記念盤のリリース、その間にもリマスター盤があったり、もう何バージョン出ているのかよく知らないし、どれが、何が良いのか、アーティスト意向も含めてまるでわからない状態、きっと最新のが良いのだろうけど、もう買うのはいいや。既に違いを楽しむという別の世界に行っているリスナーには大変楽しい世界だろうけど、今更そこに行く気もないので普通に昔買ったCDで聴いてます。ま、レコードもあったけどさ…。

 それにしても「Lizard」はキング・クリムゾンのアルバムの中でホントに目立たないと言うか、強烈な楽曲がないが故に大人しい作品として語られていることが多い、だろう。そしてキング・クリムゾンというバンドがあるとするならばロバート・フリップとピート・シンフィールドだけが残っている状態でのアルバム作成だったのか、他メンバーは皆寄せ集めとなる。そこまで殺人的な評価を下さなくても良いじゃないのかと思いたくなるゴードン・ハスケルのベースと歌、メル・コリンズにアンディ・マッカロックという布陣にキース・ティペット・グループの面々。昔から思ってたけど、ロバート・フリップってギターリストという面が強いんだが、メロトロンとか結構弾いてて、なるほどやっぱりキング・クリムゾンの音の中心なんだ、と。バンドである必要性はなかったんだろうなぁ、この人。しかしながらまだまだジャズほどそういうリーダーセッションみたいなのが普及していたワケじゃないから、どうしたってバンド単位で物事を捉えているリスナーとしてはこのメンバー遍歴にはうんざりな気もしていた。でも、出てくる音は毎回刺激的でそれこそがキング・クリムゾン、ならばそういう形態が一番良いのだろうと何となく納得。だから毎回刺激的なんだな。

 「Lizard」、その中でも大人しい感じが多い。今聴いてもそう思う。ただ、優しい雰囲気に仕上がっているんだな。B面で話題になるジョン・アンダーソンのボーカル曲にしたってプログレ的ポップスで実に見事な軽さだし、続く組曲だって緊張感はなくて牧歌的で平野に光が差してくるような代物だしさ。長い曲でも全然苦痛でなくてふわ~っとした雰囲気なのだな。A面も同じくで尖がってるシーンが少ないから聴きやすい。ただ、流して聴くと何も残らない、か。じっくり聴くと様々な楽器の音が細かく入ってきていることに気付くし、それぞれが薄氷のようにキラキラとしていて美しい。自分的にはゴードン・ハスケルの歌声って割と好きな部類なので美しいな~と思うんだよな。そこにかなり好きなアンディ・マッカロックの軽やかなドラムが入ってくるから結構好きです。フリップの強迫観念的なところが出ていないから良いのかも。だから異質感ありあり…ってのとメロトロンっつう楽器にハマってた時期なんじゃないかな。一人オーケストラできちゃうんだからハマるのはわかるが。

 「Lizard」ってホントこの瞬間にしか出て来なかったアルバムとメンバーの奇跡で、どのアルバムからしても異質な雰囲気を醸し出しているんで面白い、と捉える方が賢明か。もう40年も経っているんだから今更評価も何もなくて皆に聴かれているんだからどっちでも良いけどさ。しっかしこんだけ歪んだギターの入ってないのも珍しいよな…。何はともあれキング・クリムゾンなんだからやっぱ聴き倒しておきたい所であるのは間違いない。




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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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zagan  
こりゃまた

鄙びた奴で締めちゃいましたね。

このアルバムは、録音手法が好きで時々聴いてたアルバムです。
スピーカーじゃなくて、ヘッドフォンとかでアンプの特性をチェックするのに使ってました。

音楽的にも嫌いじゃないですよ。どっちかというと好きな方かな。
ローテーションにはなかなか入らないんですが。

今年も沢山の情報ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

2011/12/31 (Sat) 23:05 | EDIT | REPLY |   
ヘタリカ  

本年は色々お世話になりました。

厚かましいお願いではございますが、
来年も色々教えてください。

では良いお年を!

2011/12/31 (Sat) 23:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
クリムゾン

>zaganさん
録音手法…、面白いところへの着眼点ですね。
このアルバムをそういう聞き方で聴いたことなかったので、ちょっと聴いてみよう。
いや~、お互い多数の情報に感謝ですよ。またよろしくお願いします。

>ヘタリカさん
はい、こちらも色々刺激を受けました。
日時更新の数少なくなってしまったロックブログ、お互いにマイペースながらも頑張りましょう。

2012/01/01 (Sun) 01:11 | EDIT | REPLY |   

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