Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's




60年代のアンダーグラウンドカルチャーとは何故に発生して果たしてその定義って何だったんだろうとも思う。しかもアーティスト側のサイケデリックとドラッグカルチャーとかトリップした世界ってのをやっぱり意識して作ってたのか…、ビートルズみたいにただひたすら自分たちの体験を音にできた才能があったのか…、多分後者だろうな。そんな音の作り方って定義はこれもまた音楽的にあるのかどうか知らないけど、見事にサイケデリックな雰囲気を出していたバンドも多いものだ。まったくドラッグをやらないくせにそういう音を作れるザッパなんてのがいるんだからきっと作り方があるんだろう。でも、そんなこと考えずに出来上がってくるリアルな体験を音にする人達の方がレコードを聴いているリスナーからは評価が高いのはやっぱり生々しいからだろう。
1967年にジェファーソン・エアプレインが発表した作品「After Bathing at Baxter's」、前作「Surrealistic Pillow」に収録の「White Rabbit」とか「Somebody To Love」っつうサイケだけどポップで軽やかな曲のヒットから一歩進めた作品。多分こっちの「After Bathing at Baxter's」の方がサイケデリック度は高い。自分的には「Surrealistic Pillow」の「Somebody To Love」でヤラれたクチなので「Surrealistic Pillow」の方が聴いてる回数少ないけど、それにしてもかなり玄人向けな音を出している…玄人って、その世界のって意味だが(笑)。Greatfull Deadの音なんかもそうだけど、多分ブルースとかカントリーとかロックとかこうしようとかそういうスタンスも特になく、ある楽器であの世界を表現しようとした感じなんじゃないだろうか?そんなに変な効果音が入ってるワケじゃなくて、バンドが出す音そのものがサイケなんだよ。不思議なものだ。
普通に聴いててもラリった気分になってしまうんだからホント凄いんだろうな。英国のサイケデリックは内にこもった世界でどんどんうつむいていくって感じなんだが、アメリカのはどんどんとヘラヘラと笑って上を向いてアホになっていくっていう感じの違いがある。今の時代に「After Bathing at Baxter's」をどういうタイミングで聴くのかと言うのが結構難しい気がするけど、何かハイになりたい時に良いのかも。冷静に聴いているともちろんテクニックはある程度安定しているしギターにしてもかなりユニークなトライをしていて、何がルーツってのもよくわからない音世界を作ってたり、ドラムにしても普通なドラミングじゃなくて結構ドタバタと走りまわってるので、一筋縄では行かない音になってるのは事実。そんな集団の中で紅一点のグレース・スリックが女王様のように歌っているから神々しく見えるってなもんだ。よく聴くワケじゃないけど、このへんのシーンを聴いてくなら外せないバンドで、その価値がもちろんあるバンド。そして今に到るまでどんどんと姿を変えていくバンドとしても知られているけど、やっぱり60年代のジェファーソン・エアプレインが一番面白いでしょ。
- 関連記事
-
- The Beach Boys - Smile
- Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's
- Grateful Dead - Skull & Rose