上田正樹とSOUTH TO SOUTH - この熱い魂を伝えたいんや

2 Comments
上田正樹とSOUTH TO SOUTH - この熱い魂を伝えたいんや(1975)
この熱い魂を伝えたいんや
この熱い魂を伝えたいんや - 上田正樹とSOUTH TO SOUTH この熱い魂を伝えたいんや ぼちぼちいこか+6tracks - 上田正樹と有山淳司 ぼちぼちいこか+6tracks

 全く同時代に憂歌団などと同じ大阪で同じ黒人音楽をルーツとした上田正樹と言うこれまた一人の突出した歌い手が出てきている。上田正樹の方は黒人音楽っても圧倒的にR&Bやソウルの流れを汲んでいたもので、東京では清志郎がソウルとロックを目指したのに大阪の上田正樹は圧倒的のディープで真っ黒なソウルとR&Bにハマり込んで行った。当然ながらシーンの周辺として存在していた憂歌団達との絡みも出てくるんだけど、似て非なる黒人音楽への情景ってこともまた面白い。

 ライブでその熱さをヒシヒシと伝えてきてくれるアルバムを最初に出してきたことで自分のやりたい事と路線を明確に示した、更にライブだから生々しい音ってのもウケがよかった上田正樹の1975年リリースの名盤「この熱い魂を伝えたいんや」。昔はあんまり好みの音じゃなかったから熱さを認めつつもそれほど熱を入れて聴くものでもなかったけど、失敗だったね。こういうリズムとか跳ねノリとかグルーブってのは普通の音楽聴いてても出てこないし学べないよ。どうしたらこんなに黒いノリが出せる日本人になるんだ?ってくらいに黒い。真っ黒。音もあまり良い録音じゃないってのがまた雰囲気を黒く近づけていて迫力満点。オープニングの「South To South」というテーマ曲からしてもうグリグリのサウンド。一体何なんだ?ってくらいにグリグリくるから多分ハマり込めます。

 オルガンとかの音が古臭くて良いのかね。それに加えてもちろんだけど上田正樹の声が太くはないけどソウルフルでどこか悲しげっていう響きも面白い。ギターとかも凄い上手いしさ、よくこんなメンツが集まったもんだ。世界の音楽シーンから見てもさ、ボウイがプラスティックソウルに目覚めたのも1974年頃なワケだからほぼ同時代にこのソウルフルなサウンドをここまで出していたっていうのは凄い。あまりにも熱くて濃すぎて疲れてくるってのはあるが、確実に歴史に残る名盤になってます。

1991年に再結成ライブ盤「"シンパイスナ,アンシンスナ~サウス・トゥ・サウス’91ライヴ"」が出てるんだ…、知らなかった。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
ezee  

幅広いっすね~ このブログ!
キー坊、登場に歓喜です。 じつは私も最初、濃すぎてというかベタベタすぎて
関西人ながらちょっと敬遠気味でした。
でも90年の再結成ライブを生体験し状況は一変。一発でフェイバリットに!
91年ライヴも熱いね~~

2011/06/05 (Sun) 12:14 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>ezeeさん

そうそう、ベタベタで関西的でかなり濃いんで深いんですよねぇ、この時期って。
なかなか入り切れなくてこのあたりはちょいと難しいっす。
しかし90年代のライブも結構熱かったんだろうなぁ…と。

2011/06/09 (Thu) 23:11 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply