Osanna - Palepoli

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Osanna - Palepoli (1973)

パレポリ(紙ジャケット仕様) ミラノ・カリブロ9(紙ジャケット仕様)
Palepoli Palepoli Landscape Landscape of Life

 イタリアンロックと単に括ってみても、もちろんその方向性は多岐に渡っていることは当然で、それでも遥か彼方の日本ではイタリアンロックと総合して語っていることもしばしば。多分、自分(笑)。それでもまとめて立て続けに聴いているとそれぞれがかけ離れて音楽性を出しているところとどれもこれもが共通している点ってのがある。共通点はもちろん歌が入るとどうしたってカンツォーネ的オペラチック的な傾向が出てくるっていうトコロだ。これは面白い、っつうかこれこそイタリアンのツボなんだろう。日本ならさしずめ演歌調とでも言うところかもしれない。

 そんなことでイタリアンロックの名盤と誉れ高いOsannaの「パレポリ」です。1973年にリリースされたどこか不可思議なアルバムジャケットに包まれた実はかなりアバンギャルド的なロックバンドで、メロトロンからや管楽器なども登場するよくわからない世界。ただ、何かわからんけど、その世界観の出し方には妙にハマる要素があって、A面で18分強の一曲と2分もない小曲、B面は堂々21分半の大作のみ。これがまぁ、出来上がってきたもの全部詰め込んでくっつけて歌を間に入れたようなものだけど、その旋律とレベルの高さが心地良いのだな。ひたすらにロールするドラムや空間を埋め尽くすメロトロンなどはキング・クリムゾン的なエッセンスが多分に聴ける。まぁ、時代的には思い切り英国ロックの影響下にあった頃だろうからおかしくないけどね。

 しかしアバンギャルドと緊張感がしっかりと同居した「パレポリ」は見事なバランスに支えられた傑作。まぁ、今ならこれだけ冗長的な代物はおそらく却下されるだろうけど、時代の空気感がパッケージされているので凄い名盤として聴こえてくる。やや音がこもり気味に録音されているのはオーバーダビングを重ねまくったせいか?



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フレ
Posted byフレ

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kei  

親のLPを発掘していたときに出てきたこれを初めて聴いたのは、イタリアではLe OrmeやこのOsanna自体も含め、どういうわけかイタリアの往年の名グループが次々と復活していた時期なのですが、確か自分にとってはPFMに続いて二回目のイタリア体験だったと記憶しています。
野蛮、原始的といっても良いような演奏があっさりと切なさ極まるバラードに化けたり、時折出てくる暴走気味なフレーズなど強烈なインパクトがありました。
一瞬でも気を抜いて聴けるような箇所がありませんでしたし、何度か聴くうちに暴力的なパートよりもそれに挟まれた叙情的パートの方に本当の緊張感があることもわかってきて、アルバムのテーマを知ることでこれは本当にちょっと危ない作品なのではないかと思うようになりました。
大学での民族音楽の勉強で、宗教儀式との類似点を発見したのも大きかったと思います。

個人的にはイタリアのロックに対するイメージを形成された作品でもあるし、イタリアで一番はっきり曲を覚えているアルバムでもあります。

2010/08/14 (Sat) 07:18 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>keiさん

親のLPですか…そうだよなぁ、そういうモンだよなぁ。しかもオザンナのコレ、名盤扱いなのは昔からだし、若いうちからこのヘン身に染みていると言うのは羨ましい!いいもの聴いてるなぁ…と。結局音楽はやるのも聴くのも想い入れに尽きますからね♪

2010/08/16 (Mon) 00:20 | EDIT | REPLY |   

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