Frost - Milliontown

2 Comments
Frost : Milliontown (2006)

Milliontown Experiments in Mass Appeal (Bonus Dvd) (Dig)

 現代でもスーパーバンド的位置付けとなるバンドがしばしば登場してくるってのは面白い。そこに群がる期待感ってのも楽しめるし、何か素直に嬉しいもんね。…っても自分的にはさほど意味を為さないスーパーバンドってのが今回なんだけど、いや、恒例のアマゾンのリコメンドでふ~んって聴いて、相当ハジけた突き抜けた音だったのでこれは面白いじゃないか、ってアチコチ調べてみた。すると、IQのリズム隊にArena、It Bitesの面々ってことで、それとKINOっつうバンドも絡んでるとか云々…。それはともかく、やっぱりある程度名を馳せた面々によるバンド編成ってのは出てくる音がこうも違うか、ってくらいに垢抜けて洗練されている。ま、それとここの所、ポーランド漬けだったからこういう英国的な音を聴くとスッキリするってのがあるかもしれない。

 2006年にリリースされたFrostの最初のアルバム「Milliontown」。今でもまだセカンドアルバム「Experiments in Mass Appeal」までしか出てないんじゃないか?っつうか解散してるのかもしれないが…。とにかく、キャッチーなメロディと洗練されたリズムと音。決して明るくはないし、しっかりと凝った展開やシンフォニックしてる部分もあるし、泣きを演じているのも十分なのに、この突き抜けた感は凄いものがある。やはりメジャーな音ってのを聴かせてくれるもので、突出して評価が高いのはなるほどなるほど。余裕があるんだろうな、きっと。雰囲気を演じなくても自然にできるっつうかさ、多分笑いながら悲しい曲を悲しく演奏できちゃうプロさっていうもので、聴いている側は涙流してるのに演奏側は普通にしてる、みたいな。こんだけプロだと心地良いわ…、確かに。

 80年代初頭にエイジアが出来て大ヒットを飛ばして成功した頃70年代プログレのファンは「は?」って感じだったけど、その頃聴いていた新たなリスナーは大いにエイジアを受け入れていた。多分Frostも同じ部分あって、過去に在籍していたバンドを知らない人が聴いても取っ付き易い音を提供して、エイジアと違うのは過去のバンドの作品を聴いてみると更に深みが分かるというパターン。なるほど、狙ってるかどうかはともかく、音楽の才能がなきゃできない話。そういう邪推をさせてしまうくらいに完璧に近い突き抜けたネオプログレ的アルバム…っつうかバンド。もうちょっと進むとフュージョンっていうのもあるし、雰囲気だけのもあるし、器用なバンドです。

 しかし凄いな…インスト曲になるとジョン・ウェットン並のベースブリブリを筆頭にバンド全体のアンサンブルをフルに活用して演奏してる…、ライブでKing Crimson的に展開していたら相当ライブの白熱度が期待できるんじゃないか。このテクニックは。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
kei  

むしろこの後一度解散して、再結成して発表されたのが"Experiments In Mass Appeal"というのが正確なところ。
現在はリズムセクション総入れ替えで活動しています。
先月発売されたライヴアルバムもかなり良い評判のようです。このライヴでのドラムがNDVだったのには少し驚きましたが。
入れ替わった後のリズムセクションがまた凄いですが、メンバー的にメジャー色が強まった感はありますね。

ちなみに、Kinoはあまり関係ないと思いますよ。
John Mictchellが参加したスーパーバンドという点と音楽的な共通点から、当時It Bites再結成の少し前だったこともあって並べて語られただけかと。
The TangentがRoine Stoltを接点にTransatlanticと関連づけられていた状況みたいなものでは。
後にKinoは事実上It Bitesの名前違いに近くなってしまったので、現在Frost*とKinoを関連づける要素は殆ど無いと思います。

2010/07/23 (Fri) 08:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>keiさん

いつも詳細な情報ありがとうござます。
まだまだ背景情報知らないのでどしどし情報ください。やっぱり情報は知ってる方が面白いので♪

2010/07/24 (Sat) 08:59 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply