Van Der Graaf Generator - H to He, Who Am the Only One

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Van Der Graaf Generator : H to He, Who Am the Only One (1970)

1. Killer
2. House With No Door
3. Emperor In His War-room: The Emperor / The Room
4. Lost: The Dance In Sand And Sea / The Dance In The Frost
5. Pioneers Over C

H to He, Who Am the Only One Vital

 このバンドと出会ってから多分ようやく20年くらい経過するんだろうと思うのだが、最初に聴いたのがこの「H to He, Who Am the Only One」というアルバムだった。邦題で「核融合」って書かれていた気がするんだけど、「天地創造」だっけっかな?いや、「核融合」だったような…。自信ないけど(笑)。まぁ、それはともかくKing CrimsonやらYesやらPink Floydやらを聴き漁った後にとりあえずそれなりのバンドは大体聴けたかな…というような時期に出会ったバンドでしてねぇ…。色々と聴いていたつもりだったんだけど、VDGGのこの衝撃は凄かったな。一般的に知られていないようなバンドでもこんなに衝撃的な音を出しているバンドがあるのか?なんて驚きだね。そういう意味では「H to He, Who Am the Only One」を始めの頃に聴いたのはよかったんだろうと思う。後追いの世代って、そういうのが結構重要だったりするでしょ。

 はて、VDGG…、様々な形容があるけど、破壊的な指向性と余りにも優しすぎるメロディと歌が同居する不思議なバンドで、ギターが目立つHR的要素は全然無いもののオルガンやサックスが荒れ狂うというサウンド。それも別に上手いワケじゃないんだけど、何か鬼気迫るものがあるんだよな。それに火を点けているのはもちろんピーター・ハミルという詩人=歌い手。全く驚くばかりの表現力と一貫性がパフォーマンスに出てきてて、VDGGの特性要因になっている。もちろん楽曲のユニークさもあるんだが、ハードでありながらも優しくソフトタッチな面で人間性を露にしてその深い世界観を味わせてくれるのも特徴的。King Crimsonの目指す世界と近いものがあったのは確かだろう。

 アルバム「H to He, Who Am the Only One」のリリースは1970年なのだが、この時点でデビューしてまだ2年目のKing Crimsonの総帥、ロバート・フリップが一曲ギターで参加している。それこそ自身が気に入らなけりゃ参加なんかしない人だろうし、一方のピーター・ハミルにしても別にKing Crimsonの総帥だからと言って参加してくれってワケじゃないだろうからその繋がりは非常に純粋なものだったのだろう。すると両者の世界観の近さもわかってくるのでは?ところが面白いのはその後二人が一緒にやるってことは今に到るまでほとんどなかったということだ。近寄りすぎると両者ともエゴイズムが出てくる事がわかっているからなのか、タイミングの問題なのか…。

 「H to He, Who Am the Only One」という作品はVDGGにとって三作目の作品ではあるが、VDGGの方向性を決定的にした最初のアルバムとも言え、以降の作品は概ねこの方向性でバンドを動かしている。ともすればライブ盤「Vital」でわかるようにプログレバンド?何それ?っていうくらいのロックの衝動的な演奏が聴けたるので実に優れたパフォーマーなんだな。どっぷりと一人でハマって聴き込んでくれればロック好きな人にはわかる世界なんじゃないかな。まぁ、好みはあるだろうけどさ。自分的にはKing Crimson聴けるなら全然面白く聴けるバンドだと思うもん。あぁ…、また全作品聞きたくなってきたな(笑)。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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segador  
ピーター・ハミル最高♪

はい、きました。
ええ、大好きです。そして聴き始めると、最初っから全部聴きたくなってしまうバンドです。
そしてこの音盤は、初っぱなKillerがもうね、好きすぎて困ります(笑
なんだろう、クリムゾンに近い位置にはいると思うんですが、隣ではないんですね、きっと。で、クリムゾンから奥に一歩入ったらこのバンド、って感じで、その一歩を躊躇ってしまって、結局入って来てない、という人が多いような気がします。

2010/06/17 (Thu) 21:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>segador嬢

まぁ、VDGGだからねぇ…懐かしのエヴァ姉さんはVDGGを克服したのだろうか(笑)?いやいや…。

>の一歩を躊躇ってしまって、結局入って来てない
うん…、割と境目かもしれない。決してGGで自転車乗るとかあり得ないし(笑)。

2010/06/19 (Sat) 08:16 | EDIT | REPLY |   

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