Mike Bloomfield - It's Not Killing Me

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 先のNick Gravenitesと同じような理由で同じく探して探してなかなか見つからなかったのが本家Mike Bloomfieldの最初のソロアルバムと言われた「マイケル・ブルームフィールドの冒険」という作品。結局どこかでアナログレコードを見つけたんだけどちと高くて買わなかったんだよな。それから中味はあまりギターをアグレッシブに弾いたアルバムじゃない、とかカントリーチックなリラックスした作品で…とかいうような書評を見てからアクティブに探してはいなかったってのもある。それでも必ずMike Bloomfield関係はチェックしてたけどね。

マイケル・ブルームフィールドの冒険(紙ジャケット仕様) ヘイ!ブルームフィールド!(紙ジャケット仕様)
Mike Bloomfield - Red Hot & Blu Red Hot & Blue Mike Bloomfield - Greatest Moments - One Night Only Greatest Moments

 1969年リリースのソロ作品「マイケル・ブルームフィールドの冒険」。全く全盛期のスーパーセッション時代なのでまさかこんなにリラックスしたアルバムとは思いもしなかったが、全く書評通りの音。ギターヒーローが白熱したプレイを聴かせるなんてのではなくってMike Bloomfieldというミュージシャンが持っている幅の広さを提示した一枚。色眼鏡的に見ている我々リスナーからすると肩透かしと言われるが、アメリカンミュージックを伝承していきたいという思いを持つマイク・ブルームフィールドからして見るとごく自然な流れのアルバム。というか、こういう音だってアメリカにはあるんだよ、という提示かな。それをブルースという解釈だけでなくってカントリーやブルーグラス、ラグタイムの世界からも提示していて、その分しっかりと自分でしっとりとしたギターを入れることでオリジナルな主張をしている感じ。

 だから全くギターが聴けないワケじゃない。後にMike Bloomfieldがリリースするアルバム群と共に軽やかなカントリータッチの世界の中で、これまでに培った白熱したブルースギターの要素を入れ込んでいる。それが熱さと若さだけでなくってしっとりと枯れた音っていうのも出るんだよ、っていうのを提示している。それは凄い。もしかしたらジミヘンがこの辺の音色を物にするのだって時間掛かったかもしれないし、クラプトンは何十年もかかってる。そんな音の提示の仕方だと思うんだよね、この「マイケル・ブルームフィールドの冒険」ってソロアルバムは。

 んで、昔はわからなかったけどさ、ちょっと前からかな、凄くこういう世界の広げ方がMike Bloomfieldのやりたかった世界なんだな、ってのを理解し始めたのは。出会ってから25年くらい経ってようやくわかりかけたんだからまだまだ自分が未熟ですよ。だからこの辺ってこれからも楽しめるんだろうな、そしてMike Bloomfieldのこの後に出てくる音世界はこれからまだまだしっかりと把握してかないといけないんだよ、きっと(笑)。



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フレ
Posted byフレ

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K平  
最初聴いた時は

思い切り ずっこけました(笑)。一連のスーパーセッション系の音を 期待してたもんで。すぐ聴かなくなって、レコード棚のこやしになってたのですが、ここ数年 凡作を再度聴いてみようじゃないですけれど、「三頭政治」と共に 手元に置いて 40年ぶりに たまに聴き直していますよ。でも やはりこの脱力しすぎの音は、修行が足りないのか、ずっとは聴けませんね。(笑)。

2011/07/06 (Wed) 19:16 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>K平さん

うん、理解はするけど好き嫌いは別でしてね、、、(笑)。
いつかタイミングが合う時があれば良いんですが…。
でも、ブルームフィールドです、うん。

2011/07/07 (Thu) 00:08 | EDIT | REPLY |   

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