Aerosmith - Get Your Wings

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 70年代中期頃までのアメリカンロック…、ハードロックと呼ばれる類のバンドの音ってのはもう大陸的に広がりを見せるサザンロックや脳天気にスカッと大音量で〜なんていうものが出始めてきたくらい。マウンテンやアリス・クーパーってのは英国的な要素が強いロックサウンドだから、まだまだアメリカンロックの定義がそんなにスカッとしたものとは決まってなかった。後はレイドバックしたものが多かったか。

飛べ!エアロスミス(紙ジャケット仕様) 野獣生誕(エアロスミスI)(紙ジャケット仕様)

 1973年にエアロスミスがボストンの片田舎から出てきたところでそんなにシーンは変わらなかったし、話題にもならなかった。エアロスミスってのはもう英国のロックにひたすら影響を受けたバンドで、ただただロックが好きと云うジョー・ペリーの気質が可愛らしい。もっともバンドそのものはスティーブン・タイラーにより牽引されていたが、ライブやルックスではそれだけでなくバンド全体が野性味に満ち溢れていて魅力的だったようだ。ただ、出てくる音が英国のそれと非常に近く、今でこそアメリカンハードロックの王みたいに言われているが、初期の作品聴いてると、とてもとてもそんな風には思えない。70年代のエアロスミスと80年代以降とは大きく異なるバンドだ。

 そして1974年にリリースされたセカンドアルバム「飛べ!エアロスミス」です♪ いや、ファースト「野獣生誕(エアロスミスI」はもう書いているから単にセカンド「飛べ!エアロスミス」ってだけで、別に初期なら何でも良いけど、三枚目の「闇夜のヘヴィ・ロック」からは売れて、名盤と名高い「ロックス」で極める。極めてても堕落に向かう陰りがあるのが良い。そんなことでセカンドアルバム「飛べ!エアロスミス」なんだが、チープで野性的なファースト「野獣生誕(エアロスミスI」とゴージャスなゆとりすら感じさせる傑作「闇夜のヘヴィ・ロック」の間に挟まれたアルバムと云う事で後に聴いた時のインパクトはちょっと弱い。弱いけど、決して駄作ではないし、今でもライブで取り上げられる曲だっていくつか入っている。なのにあまり会話される事の無いアルバム。

 自分的には若い頃にエアロスミスにハマって、ファーストから順番にアルバムをじっくりと聴いていったからしっかりと意識して聴いたアルバム。そうだな、ちょっと地味っていう印象はあった。でも「Same Old Song And Dance」もあったし「S.O.S」も…、何と言っても「Train Kept A Rollin'」があったから聴いた。今また聴いてみるとこのシンプルな音のロックンロールってアメリカとは言い切れない陰湿さを持っているし、スティーブン・タイラーの作詞作曲能力の高さを実感する。毒もあり華もあり、かっ良さもあるという典型的なR&Rバンドをそのまま描いて突き進んだエアロスミスの若い時代。音も含めて相当かっこ良い。こういう刺激って今なかなか味わえない…。

 今の時代ってエアロスミスの昔のってどういう風に聴かれているんだろ?そもそも全アルバム聴くぞ、っていう風になるヤツって多くはないんじゃないか?そう考えるとなかなかロックを聴くってのも変わってきているんだろう…などと余計なことを考えてしまう。





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フレ
Posted byフレ

Comments 5

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LA MOSCA  

俺はこのアルバムだと「支配者の女」かな?
大好きな曲です!

2010/03/29 (Mon) 21:39 | EDIT | REPLY |   
ひで  

最近のエントリー、私好みのバンドが続いて嬉しいなぁ♪ 
エアロはもう大好きです。やっぱ初期、70年代のがカッコイイ。
セカンドって影が薄いけど駄作じゃないですよね。1stから段違いの進歩を見せてるし。

この中の「黒いコートを着た女」「折れた翼」がなんか雰囲気があって好き。

2010/03/30 (Tue) 00:10 | EDIT | REPLY |   
ryo  

1stはストーンズオマージュなWalkin' The Dogが好きですね。
勿論Dream Onも最高です。
1stと2ndはなんかチープでB級感漂う感じが好きです。

2010/03/30 (Tue) 02:32 | EDIT | REPLY |   
うさぎのしっぽ  

70年代エアロ最高ですね
最近のエアロ聞いてません。スティーブンの声も昔の方が好きです。
ところでエアロ、キッスにトリを追われたB、O、Cはどうでしょう。

2010/03/31 (Wed) 13:29 | EDIT | REPLY |   
フレ  
飛べ!エアロスミス!

>LA MOSCAさん
なかなか渋いトコロ突きますねぇ~。2曲目って肝だし流れを決める要素もあるので実は悪い曲を持って来れないので自信作なのではないだろうか、などと穿ってしまいますが…、うん、自分も好きですね。

>ひでさん
アメリカンハードロックの祖、みたいなね。なんか流れでこっちに来ているので楽しんで下さい♪ そしてエアロスミスセカンド、影薄いんですが、進歩は凄い。ただインパクトが、ね。

>ryoさん
正にストーンズへのオマージュでしょ1stの「Walking The Dog」は。セカンドもまだまだチープですねぇ…。ところが次で一気にゴージャスになるのもこれまた面白い。

>うさぎのしっぽさん
70年代はもう何でも最高ですよ(笑)。最近のエアロスミスは…同じく全然聴いてませんね。見ればかっこよいのでしょうけど、仕事って感じでね、ちょっと…。キッス・エアロスミスにトリを終われたバンド…、初期のツアーで前座だった彼等の方が人気が出てしまったってヤツですね。多分ここには登場しないと思います(笑)。

2010/04/03 (Sat) 09:48 | EDIT | REPLY |   

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