Michael Des Barres - It's Only Human
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英国の深い森とはしっとりと湿ったサウンドや空気の印象があって実に霧に埋もれたシーンのイメージなんだけど、そこから大きく脱出していく英国ロッカー達も数多く存在していて、まぁ、有名なのは例えばフィル・コリンズとかさ(笑)。ところが、そんなにメジャーにはならなくてもアメリカに進出して感化されて…でも英国人っていう人もいて、出元から追いかけていると「え?」ってな感じになってしまってビックリなんだが…。
ご存じフランスの貴族という触れ込み?でシーンに出てきたマイケル・デ・バレス=Silverheadの花形ボーカリスト、そしてDetectiveのボーカリスト、そしてThe Power Stationのライブシンガー、で著名なのですけどね、多分。その合間合間のバンドやソロ活動ってのも結構あったりしてニッチに好きだったので細々と聴いていたりするのですよ。もちろんほとんど全く話題になることもないし、レコード見つけたら多分100円以下で買えるだろう(笑)。
1980年にソロアーティストとして初めてリリースした「I'm Only Human」というアルバムがあります。割とまだ知られているのはThe Power Stationの後にリリースしたセカンドアルバム「Somebody Up There Likes Me」なんだろうけど、敢えてファーストアルバム「I'm Only Human」を紹介。時期的にはDetectiveが解体したのが1978年頃なのでその後制作に入ったんだろうね。面白いのはそのメンツでして…。バンドのメンバー自体はそんなに知られているメンツじゃないんだけど、ベーシストと作曲クレジットにはシルバーヘッド時代の盟友ナイジェル・ハリソンが全面協力。このNigel Harrisonって実はシルバーヘッドの後しばらくしてからブロンディーに加入しているから割と知られている人なんだよね。そんなところがニッチ的でしょ?いや、面白いんだよね、このヘン。んで、プロデューサーにはMike Chapmanって人で、ナックの「My Sharona」をプロデュースしてた人ってことで、へぇ…と。アルバムの音を聴くと凄く納得するので、ここはツボです。そして個人的には恐ろしく意外な組み合わせで驚いたのがBarry Goldbergって…アメリカンブルースの著名人で、Mike Bloomfieldなんかとよく一緒にやってた人で、それで名前知ってるしアルバムとかもあるんだけど、なんでこんなベタベタなブルースメンがマイケル・デ・バレスのアルバムに?みたいな感じなんですよ。大体そのメンツで出来上がった超ニッチでポップでキュートでキャッチーでキッチュなアルバムが「I'm Only Human」です(笑)。
初っ端から最後まで恐ろしく脳天気でハチャメチャなロック?みたいなサウンドがゴマンと詰め込まれていて楽曲がどうとか歌がどうとか言うのではなくって、いかにも英国人がアメリカンにやってみました、っていう象徴みたいだけど聴いていると結構面白くてハマるからコワい(笑)。救いはマイケル・デ・バレスの声があのままで変わっていないことくらいだが…後に俳優になるだけあって、いとも簡単にスタイルを変えているのが何とも…。敢えて言えば歌のラインや歌い方はシルバーヘッド時代と変わらないのでアレンジと音を変えればやっぱR&Rであってほしい、ということくらいか。こういうサウンドってほとんど聴かないから新鮮だけどさ…(笑)。ジャケットからして想像するようなサウンド、って意味では合っている。
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