Sharks - Mr.Snips



多分、というかかなり無名に近いと思うけど結構良いボーカリストがいてさ、先のロジャー・チャップマンと同じタイプの歌声でしゃがれ声でパワフル、結構パンチもあって上手下手と言うのとはちょっと違って良い味出しているボーカリストが、スニップスという人。フルネームがスティーヴ・パーソンズという名前だったなんてさっきネットでアレコレ調べていて初めて知った。フリーを脱退したアンディ・フレイザーが組んだバンドのシャークスにボーカリストとして参加したのが多分、彼が世に出た最初の作品だと思う。このアルバムは1973年4月にリリースされているので、まだフリーの方も頑張って残党達がライブを行っていた。そんな時に颯爽と新バンドを引っ提げてシーンに返り咲いたアンディ・フレイザーのバンドってことで話題性はあったと思う。しかもギタリストにはあの、クリス・スペディングが参加しているんだからその筋の人にも受けたに違いない。あ、この人もセッション活動が多くて、プログレからパンクまで幅広い活動は有名だよね。グラハム・ボンドとの作品からニュークリアスとかホント色々、そのうちまた書こうかな。
で、話を戻してとりあえずボーカリスト論なんだけどね、このスニップスという人、熱いよ。Sharksのファーストアルバム「First Water」では初っ端から挨拶代わりに渋い歌を聴かせてくれるし、この作品はアンディ・フレイザーのセンス光りまくっていて、クリス・スペディングとも結構良い感じでバンドらしくまとまってる。あのベースのノリではなくってもっと垢抜けていて、そのヘンはスペディングのギターの軽さもあるんだろうけど、フレイザーは得意のピアノでも活躍していて、このアルバムで脱退してしまう無責任さが不思議なくらい。フリーよりも明るめで、普通のロックっぽい音で勝負しているかな。でも、スニップスの歌がそれに負けないくらいエグくって結構良い。
このスニップスという人はここで認められたのか、シャークスが消滅した後すぐにジンジャー・ベイカーとThree Man Armyで頑張っていたガーヴィッツ兄弟が組んだBaker Gurvitz Armyというバンドに正式にボーカリストとして加入し、バンドとしては二枚目となる「ELYSIOAN ENCOUNTER」とその後の「HEARTS ON FIRE」をリリースしている。そこでもこの歌声は健在で、かなりハマっているし、なかなかバンドにも恵まれていると思う。ジンジャー・ベイカーはこういう歌声好きだろうし、Three Man Army時代から粘っこいサウンドを展開していたガービッツ兄弟も好きだったろうからB級ながらも才能発揮って感じ。ジンジャー・ベイカーがいてもB級ってのも凄いが。ちなみにこの兄ちゃんの方のエイドリアン・ガーヴィッツはこの後AORポップシンガーとして大活躍するという不思議。ちなみに元Gunだが…(悪魔天国)。
う~ん、説明がいっぱい必要で肝心のスニップスという人の姿がなかなか書けないが、そんなにメジャーじゃない人なのであんまり情報がない。だからレコードを聴いてなるほどって思うしかない。ジョー・コッカーの「With A Little Help Friends」をイメージしてもらえれば声の印象は伝わるかな?
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