Jimi Hendrix - Live At Woodstock

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さて、多分ジミヘンで一番有名なライブと思われるウッドストックでの演奏をほぼ全編収めた代物「Live at Woodstock」も90年代末期にオフィシャルでリリースされた。もっともその前から何回か出ているけど、断片的だったので、ここでようやくまとまって…ってなところだが、ジミとしてはノエル・レディングが辞めた後の心機一転でミッチ・ミッチェルとビリー・コックスを迎え、更にラリー・リー他のセッションメンバーを加えた6人編成でのバンド、ジプシー・サンズ&レインボウズでの参加…という事実は割と意識されることが少ないかもしれない。ジミヘンさえいればそれはもうジミヘンなのだから、別にバックは誰であろうとも、と思う人も多いだろう。自分もそういう所あるし。だからこの人の遍歴調べていても途中でややこしくなる。この後にバンド・オブ・ジプシーズでドラムをバディ・マイルスに変更した三人組で年末年始だけライブやって崩壊。その後のライブではまたミッチ・ミッチェルを迎えた三人でやっているがアルバムは出てない。で、このウッドストックは唯一6人でやってるものだけど、しっかりとトリオ編成以外の音は消されている、と云うかほとんど聞こえないようにされているのは遺族の意思?まぁ、聴いている側の認識も多くはトリオと思ってる部分あるからなぁ…。
全貌が見えてくるとライブが分かる、そして実はウッドストックのライブはジミヘンのライブとしてはそれほど出来が良いモノではないというのも知られている。確かに覇気に欠ける部分は多いが、推察するに、あまりにも管理の杜撰なウッドストックというイベントで、待ち時間が前日の夜中から朝の8時までという状況もあっただろう。ジミヘンが登場したのは1969年8月18日の朝8時だし。夜のウチには十分酒もドラッグもタバコもキメていただろうから、朝の8時に演奏するのは無茶だよ。それでも押しまくってそうなってしまったから、覇気が無いのも当然と言えば当然。それでも「Star Spangled Banner」がウッドストックの名演となったのは、その朝8時から始められて様々な雰囲気と空気とそれまでの約一時間に於けるステージ上でのジャムセッションなど色々な要素が上手く融合して、奇跡的な一瞬にこういう雰囲気の曲がジミを通して世界に発信されたというところで、神々しいまでの演奏になったのではないかと。しかもしっかりその周辺が映画ウッドストックに収録されたので、より一層ジミヘンの素晴らしさがクローズアップされたということだ。この曲以降のプレイはその延長線上にあるので、どれも素晴らしいプレイと思えてくるし、実際かなりの雰囲気だと思う。
どの曲もどの曲もジャムセッション色が凄く強くて、ジミのプレイだけじゃなく他のセッションメンバーもいたから余計にその空間は長くなったため、全体的に浮遊感がたっぷり漂っている。そういう意味では鬼気迫る名演という部類ではないにしてもかなり味のある熱演。「Spanish Castle Magic」に於けるジャムセッションはこのライブの中でも相当素晴らしい出来映えの曲のひとつだろう。全編に渡ってジミの宇宙空間漂うプレイだからアレコレ言うもんじゃないけど、やっぱりギターの音色の使い方からして美しい。音だけでなくってエロチックなプレイっつうか、「Red House」はもう本気のブルースだし、黒人ブルースそのもの。
やっはり凄いライブじゃないか、これ。覇気には欠けるけど雰囲気は凄く良いからかな。それとギターがしっかり歌っているから嬉しい。自分的にはこういうギターが好きだし。
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