Hanoi Rocks - Bangkok Shocks, Saigon Shakes
ラズルが生きててヴィンス・ニールが死んでたら…、モトリー・クルーの歴史はなくなっていたかもしれない。あんまりボーカルに依存しないかもしれないけど。ハノイ・ロックスは全米制覇してたかもしれない…、モトリーの代わりに収まっていたかも?う~ん、なかなか夢のある推測だ。


1981年ハノイ・ロックスデビューアルバム「白夜のバイオレンス」。そもそもフィンランドのバンドが日本でこんだけ人気あるってのも不思議なもんで、他にフィンランドのバンドなんて全くなかった時代だからね。間違いなく志摩あつ子さんの「8ビートギャグ」の影響は大きいと思う(笑)。たらこくちびるのモンちゃんだし。派手さとかグラマラスな毒気とかはインパクトある人達で、それはもう後のLAメタル連中にも大きな影響を及ぼしているワケだし、再結成したハノイ・ロックスを見ていても全然それは変わらずケバい。それが普段からそのままってのもロックンローラーだ。
さて、このファーストアルバム「白夜のバイオレンス」だが、良い曲いっぱい入ってる。アンディ・マッコイの非凡な音楽センスがたっぷりと聴ける作品で、滅茶苦茶ロックでハチャメチャ。プロとしてこれで良いのかっつう演奏のいい加減さはあるが、ロックならこれで良いのだ。こじんまりとまとまったロックバンドじゃなくてドールズ直系の野性味が良いんだよ。素人を惹き付けるんだよ、そういうのが。それでハマったもん。「Tragedy」なんて今でもしっかり定番曲になってるけど、これまで聴いたことのないロックのメロディラインだしさ。それは後にリメイクされる「Don't You Never Leave Me」の美しさも同じか。「Lost In The City」のブルースに根ざしたロックンロールもハノイ・ロックスらしい楽曲で、ストーンズの「Satisfaction」のリフなんかもカマしてくれる楽しい曲。スライドにハープ、ギターっつうオーソドックスな演奏でなんでこんなにハノイ風?って思うくらい。ほんとにゴチャゴチャになった音楽エッセンスがアンディのフィルターを通して出てくるところが面白い。アンディの才能をキラリと聴けるのは「Cheyenne」かな。ま、キース風っちゃあそうなんだけどなんかグッと来るんだよね。
えっと、自分、凄くハノイ好きだけど、実は初期の作品集はあまり聴かない。ん~、デカイ音で聴ける時は聴くけどそうじゃない時は結構聴き辛かったりするから。それはもテクとかレコーディングミックスとかそういう出来の問題。ただ単純にロックンロールだから別に普段から聴かなくても大丈夫なんだよね。んで、たまに聴くとかっこよくって毎回ハマる(笑)。だからフェイバリットじゃなくて常に一目惚れ状態のバンドかもしれんな。
そんなバンドなのにこないだK20HDっつうわけのわからない規格で…要は音が良くなっているらしいが、紙ジャケットでCDがリリースされているので入手は容易でしょ。別に中古で500円とかで変えるからそれで良いと思うけど。このバンドのリマスター作品って全然興味沸かないもん。そんなのとは違う世界のバンドだし、ね。
ハノイ・ロックスって日本で人気あったと言う理由からか、どれも日本盤独自のアルバムジャケットを採用されているケースが多くて、このファーストアルバムも圧倒的に日本盤のジャケのセンスがよろしい。逆に「ミステリー・シティ」なんかはどっちもどっち…、「オリエンタル・ビート」はどっちもかっこよいが、やっぱオリジナル盤の方がアルバムを良く表してるかも。
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