ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

Stevie Salas - The Electric Pow Wow

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Stevie Salas - The Electric Pow Wow (1993)
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 それぞれが持つエネルギーやパッションを解き放つ手段にロックやファンクがあって、そこに才能が重なれば音楽を集団として発散出来る機会に恵まれる。所詮の根本は同じだからさほどその形態に偏見を持つ必要はないが、今度は好みの話が出てきて、あれはこれはとなり、ここまで細分化された今の時代になればそれこそ無限の音楽が溢れているから自分のベクトルに合致する音楽に出会えるかどうかというお話。もっと言えば、メジャーどころはその最大公約数でしかないから、そこから微調整していくと多分自分に合致したバンドやアーティストや楽曲には出会えるだろう。ただ、それは自分がそのバンドが出している音を聴いて、その感性に合っていけるかどうかしかなく、自分だけの感性があるならそれはミュージシャンになる人だ。

 Stevie Salasは1990年にアルバムデビューしているが、その前にパワーステーションスタジオに入り浸って仕事していた若者で、そこでジョージ・クリントンに見出されてとの話だが、そのスタジオ時代のおかげで、今回のアルバム「The Electric Pow Wow」に参加しているような多数のミュージシャンをゲストに迎える事が出来ている。先のある若者がアルバムデビュー直後にレーベルとトラブって解雇、自力で再出発と奮起するもなかなか上手く進まず、それでも才能を知っているミュージシャン方々は彼の頑張りに応えてあげたいとの想いもあっただろう、そんな背景が見える「The Electric Pow Wow」、1993年作品。絶品モノはグレン・ヒューズの凄まじいボーカルだろうし、リッチー・コッツエンのギターか。チープ・トリックチームはきちんと名前でバンドを支えてくれるし、ザック・ワイルドも若き獅子そのままで懐かしさすら漂うプレイ。T.M.スティーブンスのベースもブリブリで息が合ってる所が伺えるが、スティービー・サラス本人のギターもかなり絶品プレイで見事にファンクロック的な味わいを出しているのは嬉しい。

 半分以上がオリジナルだが、カバー曲多数のためカバーアルバムかと思っていたが、豪華ゲスト陣にはカバー曲で存分に馴染んだ曲を楽しんでもらい、オリジナルはそのまま、ただしカバー曲の方のアレンジがオリジナルに酷似しているのでアルバムを通して聴いてても違和感なく、普通にサラスの熱っぽい作品として聴ける傑作。かなりの温度の高さが感じられるのはロックだからか。やはり自分はロックが好きなんだな、とつくづく実感したが、サラスはファンクとロックを併せ持ったオトコなので純粋にロックと言われない。面白いものだが、定義は曖昧だから自分的に熱くなれればそれで良し、こういうの、良いな。



Jackson 5 - In Japan!

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Jackson 5 - In Japan! (1973)
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 自分的には80年代を一世風靡したマイケル・ジャクソンな印象が強いが、その実70年代も制覇していた強者だったと知ったのは少々後になってからだ。子供の頃に兄弟とジャクソン5をやってて、大人になったからソロで出てきたとは聞いていたが、まさかその子供の頃のグループが世界中でヒット曲を放ちまくってたモータウンのドル箱グループとは知りもせず聞いていた次第。そうやって時代時代にアピールして世代を超えてスーパースターとなっていったのだろうから、人それぞれ捉え方の異なる断片があっても良いだろう。

 そんなマイケル・ジャクソンがJackson 5時代に既に来日してて、「In Japan!」とのライブアルバムもリリースされていた。聴いててちょっと声が辛そうに聴こえるのは変声期を迎えていたかららしいが、なるほど、才能と身体が一致していないとこうなるのかと貴重な記録として聴く方が面白い。それはともかく、iTunesやSpotifyで古いR&Bやファンクのジャンルを選んで聴いていると、必ずJackson 5が出てきて、いつもハッとする。そりゃマイケル・ジャクソンの子供の頃の声が唐突にメインで聴こえてくるからどれだけ他の歌手がファルセットやハイトーンで歌っててもこの天使の歌声に敵うはずもなく、人を惹きつける上手さ魅力を放っているのでその天賦の才能に驚くが、音楽的にも面白い所を縫っている気がしてる。普通のポップスと言えばそうだが、やはりモータウンだから時代を反映したファンク的エッセンス多数ながらもキャッチーに仕上げて更にこの歌声だからユニークな存在感。後のアイドル的コーラスグループの原型とも言われるが、それにしちゃ才能が溢れ出すぎてるし、それをこの1973年に日本で見られ、レコードになっている事実は随分と歴史的に意味のあるリリース、記録と捉えてみるべきだろう。

 モータウンサウンドも魅力的なのでその意味でそれなりに取り組みたい部分もあるが、ジャクソン5が離脱した辺りからレーベル的には傾きかけたようだ。それもしょうがなかろうと思うが、古い時代の売り方にこだわったが故の結果。しかし、ジャクソン5ってこういうグループだったのか、と今更ながらに知り、そのライブアルバムを聴いて些かタイムトリップ感を味わい、マイケル・ジャクソンの幼少時代の才能に触れてみれば80年代のあのヒットと流れや路線も理解しやすいかもしれない。良いアルバムを聴けたものだ。





Prince - Around the World in a Day

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Prince - Around the World in a Day (1985)
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 R&B、ソウル、ファンクと大きくは黒人系の音楽として一言で包まれているが、その実そりゃ当然ながら多彩なサウンドがあり、ロックやポップスと同じく時代の流行もあるから簡単にひとまとめには言えない世界だ。自分的に好むのはどこまで聴いても独特のグルーブ、ノリ、グイグイする流れらしいから、その意味ではどれ聴いても良いね、と感じるだろうし、逆にはJBほどのファンクは無いらしい、とも気づく。自分のリアルタイム性からすると、どれもこれもプリンスに繋がっていて、彼はこの辺りを模倣して組み立てて作り上げていったのだな、と今更ながらそのルーツを認識した。

 Prince and the Revolution名義での1985年リリースアルバム「Around the World in a Day」はもっとも充実していた時期のアルバムとして語られているが、自分的には「Purple Rain」の次のアルバムがこれほどポップでロック色全くなしの作品なのは理解不能だった。その頃の自分はああいう強烈なロック作を期待してたので、この天才ぶりのセンスについていけてなかったし、他情報もさほどなかったからPV見たりアルバムを聴いたりしても違和感しかなかった。そこでしばらく全くプリンスは聴かなくなったが、後年になって所々で天才として名前が挙がり、いつの時代にも出てくるから、また「Purple Rain」を聴いて納得して、他のアルバムにも着手し始めるとプリンスの天才さ加減が理解出来てきて、全部が好みではないがその天才感は凄いと分かってきた。そこで再度「Around the World in a Day」を聴いてみるとなるほど、凄い才能の豊かさとこだわり具合と練られ具合が見えてきた。凄いアルバムだ、これ、と。

 表面的にキャッチーでポップ、分かりやすいビートと少ないメロディに適度に印象深い単語。自分的に好みじゃないが、そういう音作り、アルバム作り、音楽家的天才さは凡人の自分でも分かるくらい。ミネアポリスサウンドもここ最近70年代ファンクを聴いていたおかげで、より一層くっきりと独特のリズムと理解したし、一方では往年のJBとEW&Fあたりがモチーフになったプリンスのスタイルも明白になった。それを知った上で聴いていてもやはり天才的なセンス、いや、天才そのものに思えるから面白い。何だろ。凄いな。浴びるようにプリンスばかりを聴いていたらすっかりハマれるのかもしれないが、もっとロックなプリンスを聴いてみたかった。





Earth Wind & Fire - Open Our Eyes

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Earth Wind & Fire - Open Our Eyes (1973)
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 一連の代表的なファンクバンドを聴いていると確かにファンクらしいリズムやカッティング、キレの良いサウンドとボーカルスタイルが組み合わされていて、よく出来ているとつくづく感心するアルバムや曲が多いが、果たして自分が求めていたファンクはこういうサウンドだったろうかとなると少々異なる。それでは自分の好みはどういう音かとなると、明らかにJB独自のファンクサウンドでしかないので、その個性が好きなのだろうし、それ以外では同じようなサウンドを同時期に出していたグループは無かったようだ。せいぜいパーラメント周辺あたりか。ただ、そんな聴き方をしている中で、やっぱり凄いな、と感心しながら何枚も何度も聴いていたのが我ながら今更聴き直す事があるのかと思ったアース・ウィンド&ファイア。

 Earth Wind & Fireの1973年メジャー路線に舵を斬った最初の作品と言われている「Open Our Eyes」。確かに一連のファンクグループとは一線を画したハイレベルな、そして異質な路線を弾き出しており、それは恐らくが黒人市場だけでなく白人市場を意識していたからと思われるが、ノリはそのままにもっと洗練させてメロディも独特の美しさと甘さが同居したサウンドを作り上げている。結果的にヒットチャートに入り込むようになり、知名度も上がり、後の作品への布石が徐々に積み上がっていったようだ。この時点では冒頭の超ファンキーポップ路線が正にEW&Fとばかりの作風だが、ファルセットをここまで使うのか、と後のプリンスの影響ぶりを聴くような面も大きく、また曲作りそのものも近い路線は多数ある。つまりそれはEW&Fのオリジナリティが強かった事を意味するのだろう。

 楽曲的に自分が求めていたサウンドではないものが多いが、それにしても良く出来てて、ブラジリアン的な、ジャジーなフュージョン的な、ファンキーなソウルな、そして洗練された陰りの一つも見られない爽やかさを大々的に散りばめてのアルバムに仕上げている。AORにしか聞こえない曲もあれば超絶バラードもあり、またカチャカチャしたファンクも同居して、すべてがポップスになってるから面白くて、その妙な作り込み具合に感心してたらどんどんハマった。大きな声でEW&Fって良いな、と今更言えないのでひっそりとその良さを堪能するレベルに留めておこう。





B.T.Express - Do It ('Til You're Satisfied)

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B.T.Express - Do It ('Til You're Satisfied) (1973)
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 幾つかのファンクアルバムやグループを聴いてみると自分がファンクに求めるものが何かが何となく分かってきたし、それがファンク全般にあるものなのか、特定のグループしか持ち得ないものなのかがまだ分からない。ただ、JB的なファンクがお洒落になったディスコサウンド的なものだったり、都会の洗練された小洒落たサウンドに仕上げてしまっているファンクと呼ばれる類の楽曲はあまり自分にフィットしないようだ。もっと汗臭くてエネルギーが迸るようなグイグイ来るファンクが好きなだけで、それはロックの白熱ぶりと同じパワーを感じるからだろう。その意味ではスライやJBの流れがもっともロック的と言われるのも分かるお話。

 B.T.Expressの1973年リリースデビューアルバム「Do It ('Til You're Satisfied)」を聴いていて上記のような事を思った。随分とお洒落でこじんまり纏まっている作品で、評価も高く、爆発的に売れたらしいのでそりゃ自分の好みがおかしいのだろう。随分と上品に纏まっていて、なるほどニューヨーク出身のグループだからその洗練さ加減と大衆受け側面が強いのかと勝手な想像もあるが、こういうサウンドの由来でもあろう。やってる側からすれば汗迸るのは当然だし何が違うのか、ライブなら多分皆どれも同じようにエネルギッシュにやってるだろうし、アルバムのまとめ方の話だろうから大した違いは無いとも言える。ただ、それでも歴史に名前が残る革命者的な人やグループはどこか違うのは当然だから、その辺りの線引きがなかなか難しい。

 しかしアルバム聴いているとホントにお洒落。スルッと抜けていくくらいにはお洒落なファンキーアルバム、と言うよりも自分的にはブラコンダンスサウンド的アルバムに聞こえているので、売れたのは理解できるし、必要性も理解しているが、もっとグイグイ来てほしいと思うアルバムな気がしている。曲によってはそう感じないでスゲェなと思うのもあるからそうじゃないのかもしれんし、結局もうちょっと聴かないとダメか、な話。





The Isley Brothers - 3+3

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The Isley Brothers - 3+3 (1973)
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 ここの所ファンクらしきグループを幾つも漁って聴いているが、60年代のモータウン時代から存命で時代に合わせてファンクになったり、その後のダンスサウンドも取り込んだり、元々実力あるから何でも出来るのはあるだろうが、時代に合わせて音楽性が変わっていくグループが多い事に気づく。ロックだと、多少そういうのあっても基本的な部分は変わらないからすぐに時代が評価しちゃったが、黒人系は元々プレイが上手い方が強くて個性的なサウンド面との意味ではそこまで作り上げる、クリエイティブする、組み合わせて発展させる面が強くない気がしているので、誰かが革新的に取り組んだサウンドの模倣が多い。そのオリジネイターが誰かとなると実はこれらのグループなのかもしれないが、その辺がまだよく分かってない。

 The Isley Brothersの1973年リリース作「3+3」はこれまでのコーラスグループ3名に加えてアイズレー姓を持つ3名を更に追加してのグループ編成を見直してファンキーサウンドに挑戦し、後世から見れば新たな時代を築き上げた始まりのアルバムと言われているらしい。聴いてみるとそれでもファンク面がそこまで強いようにも感じず、やはりボーカルグループの要素が強い印象だが、ギターが入りファンキーなカッティングが響き渡っているのは確かにグループがそういう方向に舵を切った証とも言える。その意味では若気の至りとパワーで突っ走る汗ほとばしるファンクとは異なり音楽的にファンクな面を取り込んだ上品な甘ったるさすら内包するボーカルグループの奏でるファンクさだろうか、逆に言えば黒人音楽系の良い部分をいずれもバランスよく取り入れているグループとも言える。

 なるほど、こうして自分の好みが見えてくるのか。甘いボーカルメロディも悪くないが、グリグリにノリの強烈なファンク路線の方がまだまだ自分的には引き込まれるし、聴いてて楽しくなるのは若さ故、なハズもないから好みの問題だ。その意味に於いてはアイズレー・ブラザースはそこまで深く聴いていく事も今の所はあまりないだろうが、ただ、他のR&Bやソウルよりは好ましいサウンドなのでいずれまた、か。