ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

「note」マガジン発刊

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The Power Station - The Power Station (1985):

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 デュラン・デュランで一世を風靡したジョン・テイラーとアンディ・テイラーが正に全盛期に別バンドを結成し、そこでもまた当然の事ながらも大ヒットを放ったザ・パワー・ステーション。ドラムに80年代ドラマーを代表するトニー・トンプソンを据え、更にボーカルに至ってはロバート・パーマーの布陣で挑んだデュラン・デュランチームのロック魂が実を結ばないはずがない。当時はデュラン・デュランを蹴ってまでこのメンバーで妙なリズムの曲をやるか理解できなかったが、聴いて気持ちの良いリズムパターンは確か。

 最初のシングルは「Some Like It Hot」で、ドンパン鳴るリズムに新鮮さと衝撃を感じたが歌が苦手だった。アイドルバンド視されてた彼等がどれくらいロック出来るかに興味はあって、見事にアンディ・テイラーのギターが派手に鳴ったおかげで十分に認められようだった。ジョンのベースはデュラン・デュラン時代から定評で、本作のベーシストの役割は至極カッコ良くて役割を十分こなしていた加えてT-Rexの「Get It On」には驚いた。当時はT-Rexの原曲を知らなかったので凄くカッコ良くシンプルなロックと思って密やかに好んで聴いていた。

 ファーストアルバムのリリース後、すぐにロバート・パーマーが離脱したために世紀の一大イベントとなったライブエイドのステージでこのバンドのフロントを務めた男があの元シルヴァーヘッドのマイケル・デ・バレスだから時代は奇妙な選択を与える。そんな事も今だから云えるけど、当時は誰か全く知らない人だったのでまるで盛り上がらず、奇妙な人が歌っている印象しかなかった。

 今ではロバート・パーマーもトニー・トンプソンもプロデュサーのバーナード・エドワーズも全員天命を全うしている。トニー・トンプソンはライブエイドでZeppelinのステージでドラム叩いてたからこの人に対する評価が高まってて、密やかにジミー・ペイジ達3人とスタジオセッションしてZeppelin再結成を考えたくらいだから、きっと音がでデカくて抜けるドラムだったと思う。





EUmoreRock

Robert Palmer - Double Fun (1978):

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 ロバート・パーマーのヒット作「Every Kinda People」は1978年のヒット作で、ここからロバート・パーマーはスター街道へと進むが、この曲の作曲はアンディ・フレイザーという話は聞いた事なかった。アナログ時代はそこまで広げなくて、いつしか知って聴いたけど全然つまらないから知識程度の話で、今回思い出したのは奇跡かも。

 収録されているアルバムは「Double Fun」で、売れたからオープニングナンバーになってて、「Mr.Big」からこの曲をイメージすると不思議でしょうがない。当時聴いた人の大半がそういう印象を持った気がするが、その頃アンディ・フレイザーのソロ作品は誰も聴いてなかったから、彼の趣味やセンス、そして音楽の源流は認知されないままフリーのアンディ・フレイザーの知名度だけが浮上していた様相。その辺を本人も認識していたから自分自身で音をプッシュしないで、ロバート・パーマーを使って出したとも思える巧妙さ。

 「Every Kinda People」は軽やかなAORでカリプソ的要素が強く、当時も珍しかったからアンディ・フレイザーもロバート・パーマーも何者かと訝しむ風潮だった。売れてしまえば関係なくロバート・パーマーのイメージはカリプソ的なちょっとキザな良い男的な人で売ってたが、後にロバート・パーマーはパワーステーションのボーカリストとしてロック界にインプットされているから、このアンディ・フレイザー作の曲で出てきたロバート・パーマーは意外な人の曲を聴く想定で聴き直した。ただ曲が南国カリプソ風味だからアルバムを聴く気にはならない。アンディ・フレイザーを知る人は彼のこの近辺のソロ作を聴けばこの路線にも違和感なく洗練された新たなるサウンドに共感出来たか。その延長のやり過ぎ感がアンディ・フレイザーのその後のアルバムになるが、このカリプソ感は新境地だがロックとは無縁で悩ましい。



70sUKRock

Andy Fraser - Andy Fraser Band (1975):

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 フリーを語る時、話題は必ずベーシストのAndy Fraserになる。フリー独特のあのノリを出しているのは紛れもなくAndy Fraserでしかなく、今に至るまでこのようなベースプレイを前面に出した人はいないし、こんなベース弾く人もいない。時代の産物なのか、どうにも他では受け入れられないタイプのベースなのか、とにかく稀有な存在。それでいてフリーは今でも聴かれているから奇跡に近い存在だったとも思う。

 そんな天才ベーシスト兼ソングライターだったAndy Fraserが自身の名を冠したバンドの最初の作品「Andy Fraser Band」が1975年にギンギラギンのアルバムジャケットでリリースされていた。今じゃCDでも手に入るからありがたいけど、こういう中途半端な作品はアナログ時代は見つけるのが大変だった。存在の中途半端さで音じゃないです。こういうソロ作品はレコード屋のエサ箱になくて困る。フリーのコーナー見て「A」のコーナー見て、そしてロックじゃないところも探して、とやらないと出てこない。結局手に入れたけど。

 Paul Rodgersを聴いたから、Andy Fraserの「Andy Fraser Band」は、モロにPaul Rodgersが歌っているような印象でPaulをイメージした作品に感じる作風。似ていると言うよりも自ずとそういう作品が出てきて、以前はアンディの曲を普通にをPaul Rodgersが歌っていたからそういう印象も納得するが、単純に「Andy Fraser Band」はフリーに近い曲が揃っている。Paul RodgersはBad Companyで新しい世界を作り出していた頃で、Paul KossoffはブルースをベースにしたBack Street Crawlerで何とか起死回生を図っている頃、Andy Fraserは一人でこんなにフリーな音を作っていた。

 ただ、録音と楽器の音がかなりチープなので、如何せん作品レベルで語られる事が少ない。音楽に関係ないけど、もっときっちりと録音されてればと良かったと思うが、歌い方はほぼPaul Rodgers。ああいう歌の上手さはないけど歌のメロディや出し方は全く一緒で言えば当たり前でもあるが、本作ではベースプレイをほとんど全面に出さず、あのノリも出さず、実際は結構弾いてるかもしれないが、普通に弾いている印象に聴ける。再度聴き直してこのソロアルバム「Andy Fraser Band」の価値を何となく理解し始めた。Paul RodgersとAndy Fraserでこのアルバムのセルフカバーをロックにやったら面白かったと想像出来る隠れた名盤。



UKbluesrock

Paul Rodgers - Now (1997):

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 1993年の「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」で派手にシーンに返り咲いて以来、それまでのフーテン状態から一気にビジネスマンと化してセッションやアルバム制作にライブ活動とここぞとばかりに働いたPaul Rodgers。丁度時代はロック壊滅期とも言える90年代だったが、独自の活動を繰り広げていた。「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」が好評だったし、往年の歌声復活もあってファン側も認識して聞いていたし喜ばしかった。

 そんなPaul Rodgersがカバーアルバムではなく、オリジナルアルバムとしては二枚目となる「Now」がリリースされたのが1997年。しかもタイトルが「Now」とは、この頃最も自分が充実している事を自覚していたらしく、今の自分を聞いてくれ、との意味で「Now」としたらしい。それに加えて、自信溢れる証明のように「本作はライブ録音してます」と書かれている。つまりオーヴァーダビングを重ねたり音を修正したスタジオアルバムではなくて、バンドのメンバーとライブで録音した意味。ある程度被せた音はある感じだが、基本はライブ録音。だからものすごく一体感があって勢いも感じられる「Now」の意気込み。

 確かに凄い充実度だが、イマイチ認知されないのは楽曲のインパクトのなさで、もうちょっとフックの効いた曲があると良かったが、概ねPaul Rodgersの曲は英国然とした説得力のある曲が多いので、キャッチーでフックの効いた曲は多くない。それがモロにアルバムにも現れてしまって、もともとポップな曲を歌う人ではないから本気で作ると余計にこういうニッチな音になるかもしれない。その代わり、歌がもの凄い本気度を聴ける熱唱ぶりで聴けば驚くし、さすがと唸る。初めて聴く人なら感動する事は間違いない。曲は良作が揃ってて、かなりハイクォリティだからフックの問題だけでレベルは凄く高いから素晴らしい。

 バンドメンバーも今でも続けている面々もいるので、実はこっちの方が長いくらい信頼できるメンバーになっている最初の頃の音なので興味深い。しかし歌はホントに上手いから、BGMにしては聴いてしまうし、本気で聴くにはやや物足りない何とも悩ましい作品だが、カッコ良いロック。



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The Law - The Law (1991):

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 1991年リリースの唯一の作品「The Law」。思いのほか売れることがなく、また積極的な宣伝活動もなかったが故の商業的失敗が大きく足を引っ張ったのか、アルバム一枚で解体。ちなみにこのバンド、CDでは詳細クレジットが全然書かれていなくて、バンドメンバーご当時気になってしょうがなかった。なんとなく漏れ伝えわってきたのは、ブライアン・アダムスが参加してる、クリス・レアもギター弾いてるくらい。ブライアン・アダムスが「Nature Of The Beast」に参加してるのはまだ分かるとして、他も気にしてたが、そこまで追求することもなく時は流れた。

 ポール・ロジャース好きだし、何かとこのThe Lawの存在が引っ掛かって、ネットで調べたらやっと分かって驚いたが、「Stone」でデヴィッド・ギルモアとクリス・レアが参加してるから、この辺の人達ならこういうAOR的な大人のサウンドもこなせるかと妙に納得した。全くブルースとは離れた心地良い爽やかなAORな音です。しかしポール・ロジャースの歌声は曲がどうであろうと健在でそれだけが救い。

 ちなみにケニー・ジョーンズがザ・フー上がりだとしたらここでベースを弾いているピノ・パラディーノは現在のザ・フーのベーシストで妙な因縁ではあるが、そんなこと誰も予想してなかった時代。それからピアノとギターは基本的にポール・ロジャースが自分で演奏しており、イマイチ地味に終わったプロジェクトながら、それでもしっかりと先日リマスター作品がリリースされているので物好きやコレクターはいる。



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