ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

The Who - Quadrophenia (Original Motion Picture Soundtrack)

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The Who - Quadrophenia (Original Motion Picture Soundtrack) (1979)
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 「さらば青春の光」。何ともカッコ良いタイトルを作り上げたものだ。The Whoの「Quadrophenia」は「四重人格」だったから、映画のタイトルとなった「さらば青春の光」はその時の邦題として付けられたものだろうが、ナイスなセンスだと思う。じっくりと見れば何を指しているのかよく分からないが、パッと見た日本語の語感としてカッコ良いと思えるのだから面白い。そういう邦題のセンスが昔から巷では感嘆されていたが、どこかに纏めてそういうのを書いている所もありそうな気がするし、本だってあってもおかしくないが調べた事はない。言うまでもないがそもそもが昔のモッズvsロッカーズ的な時代のモッズ映画を制作するにあたり、主演には何処からどうしてここでキャスティングされたのか知らないが、あのスティングが何故か俳優として配置されているし、音楽はほぼThe Whoの「四重人格」から持ち込まれているニッチな作品の「Quadrophenia (Original Motion Picture Soundtrack)」サウンドトラック。ただ、恐らく大半の人がThe Whoの「四重人格」を映画化したもので、そのサウンドトラックとして知っているように思うし、多分そうだろうとも思う。それでも映画という体裁からすると当時のモッズの間で流行していた曲が何曲か入れられているのはありがたくも面白いし、このサントラ盤でThe Whoのモッズ概念を知る事にもなるし、更に「四重人格」の優れた楽曲群からのベストチョイス盤までもが聴ける美味しい話しかないアルバム。

 曲目を見て分かるように前半、アナログ時代のアルバム一枚分は丸々The Whoの「四重人格」からのベストチョイスだが、驚く事にベースのジョン・エントウィッスルがこのサントラのためにマスターテープからリミックスを指示したプロデューサーとして名を連ねているから「四重人格」のミックスとは異なるバージョンで聴けるところが貴重。リマスター盤を聴いているからかもしれないが、明らかにジョン・エントウィッスルのミックスセンスの方が普通に良いのでリミックスバージョンがリリースされるまでは本作の方がカラフルで聴きやすい音質の「ミニ四重人格」アルバムだった。それ自体は知られていたように思うがさほど話題に挙がる事もなかったので、自分的には少々不思議感もあったが、それはやはりThe Who名義、ピート・タウンジェンド絡みではなかったから真剣に捉えられなかったのかもしれない。ただ、ジョン・エントウィッスルも編集盤では割とプロデュース的な役割を担っている事も多く、「Odds & Sods」は顕著な例だが、この頃だとピート・タウンジェンドは恐らく映画「The Kids Are Alright」の方にかかりきりだった事もあって、ジョン・エントウィッスルが仕切ったのだろう。大抵ピート・タウンジェンドが忙しいとジョン・エントウィッスルが出てくる程度には信頼関係が深い間柄で、そこにロジャー・ダルトリーが出てこないのは音楽的センスと見地からした時はやはりジョン・エントウィッスルが信頼できるパートナーだったようだ。そのおかげでどの曲もどの曲も一言で言えば明るく派手なミックスが施されている。各楽器の定位ははっきりしたポジションに配置されているし、くっきりした質感そのままが聴けるのもありがたく、ピート・タウンジェンドのギターなどはホントに鋭く素晴らしくザクザクと切り込んでくれる気持ち良さが伝わってくるし、ベースも当然はっきりと重くデカく目立つように鳴っているし、キースのドラムはこれでもかと言うくらいにしっかりと出されている。それに加えてホーンセクションの綺羅びやかな音が大きくなり、派手さを強調するようにスコーンと抜けて出てくる。「I'm One」のようなピアノが中心の曲は目一杯ピアノ曲のようにミックスされて普通に賑やかに仕上がっているのも面白い。ロジャー・ダルトリーの歌声も本作ではきちんと埋もれないで前面に出て来ているし、普通こういう風に音を作るだろう、というそのままのバランスで聴けるのが有り難い。それでいてこの名曲群の数々がオンパレードで流れてくるのだから文句の一つも出ないどころか拍手喝采の素晴らしさ。そう言えば冒頭の「The Real Me」からして派手なミックスも驚きながら最後の最後はここでしか聴けないエンディングなのも驚く。こういう終わり方がテープには入っていたのかと納得してしまった瞬間。そして「I've Had Enough」のストリングスのキレの良さも美しく、全くオーケストラ使うならこういう音を出してほしいと思うばかりの出し方も嬉しい。

 本作のために書き下ろした曲としてはケニー・ジョーンズの叩く「Get Out And Stay Out」と「Joker James」で、前者はピートの歌で収録されたどこかモッズ的なリズムが刻まれる微妙にファンキーなサウンド、後者は古いサウンドそのままをモチーフにしたかのようで、コーラス歌ものらしくキャッチーに仕上げた、如何にもそれらしい作品。また、キース・ムーンの叩く「Four Faces」はどこかピート・タウンジェンドのソロっぽい印象を受けるが、まだまだイケるぜ的な曲調でピートの歌で収録されている。更にHigh Numbers時代の実にかっちょ良いモッズビートそのままの「Zoot Suits」と2000年のリマスター時からボーナストラックに収録された「I'm The Face」はまんまモッズソングとしてThe Who関連では知られている楽曲。その他は当時のモッズの愛した楽曲が収録されているが、「He's So Fine」を聴くとジョージ・ハリソンの「My Sweet Load」を思い出すだろうし、ジェームズ・ブラウンを聴けば正しくピチピチのスーツでクールに踊る姿がイメージ出来る。The Kingsmenの「Louie Louie」やBooker T & MG'sの「Green Onions」はThe Whoに限らず、この頃のロックバンドの大半がモチーフにしてカバーしていたので良く知られているだろう。その意味ではThe Cascades「Rhythm of the Rain 」=「悲しき雨音」と書けば知られているだろうか、これもまた同じく大半のリスナーが知っているだろう曲、と思っているが今どきでは通じないかもしれない。そしてThe Ronettesの「Be My Baby」と来たらこのサントラをThe Whoのミックス違いを知らなくてもお得なアイテムとして入手を考えるだろうとすら思う。自分的にもこの辺の曲を全ては知らなかったが、ふと気づくとアルバムを流して聴いているから馴染んでしまって、その後にどこかで聴いても知ってたし、それがまた聴く機会も多くなったので、如何にスタンダードな曲だったと思い知らされた曲ばかり。The Crystalsの「Da Doo Ron Ron」はさすがにそこまでメジャーでもないが、いつしか聴いて覚えてしまったフィル・スペクターサウンド。

 The Whoの楽曲が散りばめられた「さらば青春の光」なる映画、そしてサウンドトラック、と聴くとアルバムのみならず映画も当然見たくなるだろうし、見ればカルトながらも当時のモッズがどういうものだったかも分かるし、BGMとなった音楽の馴染み具合も分かるので絶対に見てほしいし、そこで流れるThe Whoのサウンドと言うか、楽曲のマッチ具合も素晴らしいと実感できると思う。英国映画なので絵が綺麗だし、スティングの尖りぶりも群を抜く目立ちぶりで、結局はどうしようもないモッズのジミーの居場所を失くしてしまったやるせなさだけが残る「Love Reign O'er Me」の印象深さも衝撃的。そういえば思い出してきたし、しばらく見てないから近々また見よう。







The Jam - Dig the New Breed

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The Jam - Dig the New Breed (1982)
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 ロックの歴史を時系列できちんと聴いていければ混乱も、妙な影響も防げたりするだろうが、今更無理だし、自分がリアルタイムで知って好きになる頃には既にロック史は進んでいるので、ほぼ大半の人が後追い世代になるのも普通だろう。リアルタイムで時系列で聴いてたと言う人は今70歳を軽く超えている計算になるし、それでも情報量が異なるので実際時系列で聴けていたバンドはそこまで多くなかったと思う。だから結局後から同時代の音を耳にする事もあるだろうし、それでも聴けば良い方だし、大抵はもうロックなんざ興味無いだろうし、昔話の一つでしかなかろう。何故にこういう話を書くかと言えば、後追いだと自分が知る際に時系列の逆転現象が起きるから歴史的に辻褄の合わない事に遭遇して初めてその矛盾に気づくからだ。今回はThe Jamの解散直前にリリースされたライブアルバム「Dig the New Breed」だが、これが1982年のリリースで、直後に解散しているからリアルタイムでのThe Jamはロック的には通っていなかったが、一方でポール・ウェラーを先に知る事になり、その印象がよろしくなかったためにThe Jamの深掘りも進まなかったという話。

 初期ロンドンパンク発祥のバンドの中にThe Jamも含まれる事が多く、そこからThe Jamには興味を持ったが、ファーストアルバム「IN THE CITY」はカッコ良かったがそれ以降はそこまで聴き込まなかったのはポール・ウェラーのイメージのせいで、スタカンのサウンドが自分的にはまるで好みでなかったからThe Jamの初期以外も積極的に手を付けなかったというワケだ。ゆとりが出来てロンドンパンクバンドもある程度制覇しておきたいと思った時にようやくアルバムを順に買っていった程度なので既にThe ClashやThe Damned、The Stranglersの洗礼を受けた後の順番だったから、かなり遅れを取ったとも言える。案の定その頃はさほど受け入れる事なく、流していた程度でハマらなかったし、モッズバンド的なカッコ良さとすれば、それなら本家本元のThe Whoがダントツにカッコ良い、と聴きまくっていた頃と重なるのもよろしくなかった。おかげで自分がThe Jamを存分に聴く機会はまた遠のいていったと言い訳も出来るが、いつしか中後期のThe Jamも聴いているようになり、初期の衝撃はないがやはりカッコ良い音を出してた事に気づいてはいた。そこからまだハマりもせずに常に脇で聴いていたような感じだったが、今回は解散前のライブアルバム「Dig the New Breed」を改めて聴き直してて、随分尖っているライブの集大成だと気づいた。CD時代になってから「Live Jam」なるもうちょっとライブに特化した編集盤がリリースされていて、こちらの方が評判は良いらしいが、現役時代の「Dig the New Breed」もアナログ感あって、良質なライブアルバムだと思う。

 まずは「In The City」の強烈なビートに引っ張られる1977年最初期のライブからスタートして、ほぼ時代順、1979年レインボウ、81年のハマースミスパレス、82年のバームンガムと79年のレディング大学を挟んで4月のエジンバラとグラスゴウからベストチョイスではなく、The Jamらしい勢いのある楽曲ばかりを選び抜いて編集されたノリが存分に楽しめる作品。パンクバンドとして知られていたのも分かるくらいにモッズ路線ながらもビートの利いた強烈なスタイルの作品が並び、ポール・ウェラーのリッケンバッカーの音が響くソリッドなライブそのままで、バンドの上手さがビートをドンドンと引っ張っていく。ある意味最後の最後までパンクらしいスタンスの楽曲と演奏を貫いたのはThe Jamなのかもしれない。それはパンクではなくモッズというスタイルに固執したからこそブレなかったとも言えるし、音楽的な変化を求めないモッズバンドで終えたからとも言える。自分的にはどこか軟弱になってスタカンに移行したと思っていたので、こういうライブアルバムをじっくりと聴いてみればその実、最もパンクイズムを通し抜いたバンドだった。歴史的な勘違いから損した感もあるが、結果的にはカッコ良さがしっかり響いてくれたので良かった。The Jam、カッコ良いじゃないか。





The Police - Live! (Remastered)

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The Police - Live! (Remastered) (1995)
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 ライブアルバムとスタジオ・アルバム、どちらも甲乙つけ難い楽しみがある。ライブアルバムは文字通りバンドのライブ感そのままが伝わってくるのでスタジオ盤とは違って、バンドの本質がモロに聴けるし、どういうスタンスでプレイしているかも分かってくるが、一方のスタジオ盤は緻密に作り込む場合もあるし、綺麗に作り上げたり効果音や鍵盤やホーンを入れたりもして音楽的に後に残すための作品として制作される醍醐味が聴ける。これもバンドのスタンスを垣間見れるが、シンプルなR&Rと言いつつも数枚もアルバムを出す頃にはさすがに幅が広がっていくのが普通で、そうじゃなければ飽きてしまうし消えていくバンドも多い。ライブだけで成長しつつもそこからミュージシャン、バンドとしての発展が必要になるのがプロの音楽家集団なので、当然レコーディング機材や録音方法も新しい技術や手法を試したりと発展していくが、リスナー的にはそのヘンはさほど拘らず、出てきた作品を聴いて好きか嫌いかだけ、と素っ気ない対応になるので難しい。だからライブ盤でバンドそのままを出した方が好まれるケースが多いが、難しいのは今度はライブそのままがレコードやCDで伝えきれない、収録仕切れない、あの熱気をパッケージ出来ないなどの問題も多かったらしく、ライブの名盤と呼ばれる作品の大半はオーバーダビングしまくりが多いのも相反した風潮。デジタル時代となった今の時代では技術の向上から、生ライブそのままがリリースされる事も多くなり、昔のライブもその恩恵に肖ってのリリースも増えていて実に喜ばしい。

 The Policeが1995年にリリースした「Live!」はCD2枚組で、1979年と1983年のライブをそれぞれのディスクに収録したアイテム。面白いのは前者がボストンのFMラジオで放送するために収録されたソースから、後者は全盛期なのでビデオ収録の音源から収録されており、発掘ライブと言っても良さそうな感じ。ただ、1979年11月のボストン公演の音質はさすがにその頃のFMソースらしくバランスも良くなく、モコモコとした感のある音質なのでやや聴き辛さを感じるし、演奏もまたこの頃の生々しさがアルバムとして聴くには少々辛さのある収録だ。これはポリスに限った事でもなく、なぜかFMラジオで放送されるライブは大抵がこの聴き辛さを感じるもので、あまりにもナマナマし過ぎるライブだからと思うが、簡単に書けばバンドがその場のノリで演奏しているライブだからこその長尺感やフリーっぽいセッション感がそのまま記録されているから、後で音だけ聴いていると何かよく分からないダラダラ感を聴いている状況になる。その辺りをオフィシャルでリリースする際にはカットしたり編集したりと聴きやすいテンションの高い演奏に仕上げたり、くっきりとした音質に仕上げ直したりするのだろうが、本作はそういった手間暇を掛けておらず、生ライブそのままをディスクに収めている。その分バンドの勢いが伝わってくる面もあるが、一方でバンドの演奏がここまでラフだったのかと音だけを聴く身になるとやや聴き辛さも出てくる。期待の1979年の有名ラジオ音源だったので、どれだけ綺麗な音に均して出してくれるかとの期待もあったが、その面ではまるでいじられていないので素直にライブを聴こう。初期アルバム2枚からの選曲なので、シングルB面曲で当時はアルバム未収録だった「Fall Out」や「Landlord」も演奏されている貴重なショウとも言え、丁度「Message In A Bottle」のヒットを放った後なのでバンドの調子も人気も上り調子の時期、英国のバンドから全米を相手にするバンドへと駒を進めている姿が聴ける。スティングの歌声はいつ聴いても無理のありそうな高い音を出しているように聴こえる詰んだ声質だが、それが味でもありここでも勢いよく聴こえるが、ライブの特徴的にはバンド全員でコーラスを割と奏でている辺り。トリオなので当然だが、幅広くメンバーだけでプレイしようとするとこうなるが、一方でアンディ・サマーズのギタープレイが相当ラフでハードロック調にも聴こえる演奏も初期ポリスらしい。「The Bed's Too Big Without You」ではプログレバンドばりにインプロビゼーションと空間エフェクトお遊びプレイが入っているので長尺曲となり、その間がなかなか聴いているだけではキツい一曲で、集中力が削がれるが、そこからの「Peanuts」「Roxanne」「Can't Stand Losing You」と立て続けにナイスな曲をプレイしてくれたから何とか聴いていられる感じもある。ただ、当時のライブはそういうものだったろうし、ライブ会場に居たらそれはそれで楽しめただろうから今になっての辛さだろう。

 そしてディスク2は1983年11月のアトランタのライブショウから収録されているので、正しくThe Police全米制覇中の全盛期のライブでコーラス3名が追加されているものの演奏は3人のみは変わらずと見事なスタンス。そしてコーラス3名を入れるだけで先の1979年のライブで聴けたバンドメンバーによる不安定なコーラスから一気に安定したコーラスとなり、メンバーも演奏に集中できるせいか、ライブそのものも実にクォリティ高くプレイされている。この4年間でここまで変わるかと言うくらいに垢抜けて超メジャー級のパフォーマーとなったバンドの姿を映像でも見られるし、音でもダレる所なく聴けるのはさすが。冒頭の「Synchronicity I」「Synchronicity II」の畳み掛けからして会場をいきなりマックス状態に持ち込んでいるし、音を聴いているだけでもテンション上がってくるのはやはりこなれた演奏技術とバンドのプレイそのものの凄さだろう。もっとも自分的にもリアルタイムでこのライブビデオにはかなりハマったので、その想い入れの強さも大きいとは思うが、それでもここまでこなれたライブ感を出せているのはこの時期のポリスの余裕からと思う。アルバム「Synchronicity」の曲が数多く演奏され、その他シングルヒット曲が網羅されているのもあるから当然ベストポリスライブに近い様相を示しているのも大きいのは承知の上、とにかく素晴らしいライブアルバムとしてこちらのディスクばかりを聴いてしまいがち。スティングのベースのドライブ感、歌の激しさ、それに加えてスチュワート・コープランドの以前からは大きく変化したソリッドでタイトで音数の少ないパーカッション的ですらあるドラミングは研究し尽くした後の個性だろうし、アンディ・サマーズのギタープレイはここでは既に独自スタイルを拡張させているバリエーションを見せているプレイ。まるで異なる世界ながらバンドと楽曲の深みを感じさせる「Walking in Your Footsteps」はポリスでしか成し得ないサウンドだろうし、「King of Pain」から「Don't Stand So Close to Me」「Every Breath You Take」と怒涛のヒット曲の連発はこの大会場を熱気の渦に巻き込むには十二分なパフォーマンス。ラストは初期作品で締めていくのも彼らのプライドと言うか、媚びない姿勢とも見られるし、全く映像と共に存分に迫力を楽しめるライブ。

 こういうCD2枚組でライブをリリースするのもバンドの歴史を見れて面白いし、ポリスの場合でもここまで成長が聴けるのもユニーク。元々が狙って出て来ているバンドだし、スティングの才能が尖っているのでそこまでの変化とは思われなかったが、こうしてライブを聴き比べてみると時代の進化以上にバンドの変化が大きく、音楽的と言うよりもシーンに合わせたバンドのあり方、進め方、時代との迎合の仕方から自らが時代の寵児になり、また時代を作り上げた自信も溢れているようにすら聴こえる当時のバンドの裏側は無視して表では素晴らしきプレイを広げている凄さ。スタジオ・アルバムを聴いていても垢抜けていく様相は分かるが、ライブだとモロにここまで変化するのかとつくづく思った次第。楽曲の作り方もライブの構成も演奏も見事なまでにひとつの完成形を作っているが、その集大成が聴けるライブアルバム。2003年にリマスタリングされて再度リリースされており、音質は多少改善したとは思うがそもそものモコモコ感は変わらずの印象。








The Smiths - The Smiths (Remastered)

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The Smiths - The Smiths (Remastered) (1984)
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 昔々、どうして攻撃的で直線的なロックそのもののパンクとチャラチャラと根暗で陰鬱で軟弱な世界のニューウェイブが常に同じ括りで語られているのが不思議だった。ポスト・パンクと呼ばれたジャンルの存在も不思議で、直訳すればパンク直後のパンク、となるが、出てきた音はこれもまた陰鬱で難解で攻撃的な姿勢はあるものの音としては妙に暗いゆったりとしたリズムの音の印象で、パンクのあの初期衝動は最初だけだったのか、結局パンクとは表街道を走るメジャーポップ路線の裏側にあるアンダーグラウンドの世界を指すのか、とすら思っていた。今でもそのあたりの括りは進化系ではあるものの明らかにリスナーの異なる音楽ジャンルじゃないかと思っているが、そもそもがSex Pistolsのジョン・ライドンがP.I.Lで出したサウンドが発祥だろうし、The Damnedの進化系がニューウェイブだし、The Stranglersの発展した世界がインダストリアル、ノーウェイブだろうしとパンクの元祖バンド達の生み出した世界だからおかしくはない。ただ、聴く側は好みが明らかに異なるだろうというだけ。

 The Smithsの1984年デビューアルバム「The Smiths」は当時からニューウェイブとして語られ、それもポスト・パンク的なポジションから出てきたような印象すらあったが、聴いてみて一瞬で拒絶した経験がある。まだパンクの初期衝動が好きで若さに溢れていた頃にこの軟弱にも聴こえるサウンドを聴いてしまうと到底耳にする事の出来ない音だった。今でこそこういう音だし、ギターの広がり感やモリッシーの唯一無二の世界観の存在は貴重なバンドの代表でもあろうとは理解するが、好き嫌いで言えば好きではないし、好んで聴く音でもない。それなのに何が好きじゃないかをじっくりと解明するために結構な回数聴いているのがThe Smiths。その甲斐あってか割と聴けてしまうし、こういう音だった、曲だった、と思い出してしまうくらいだからその曲のキャッチーさ加減はよく出来ているのだろうと思う。そしてかなりバリエーションに富んだ作風を奏でていたのも何度も聴いていると分かってきて、ジョニー・マーのギターの使い方の上手さに舌を巻く。この頃こういうギタープレイを全面に出していたのはU2かポリスか、即ちエッジかアンディ・サマーズか、の所にジョニー・マーだ。冒頭の一瞬で拒絶したのはもちろんモリッシーの歌い方、歌声に、歌詞の噂についてもやや拒否反応もあったから。それに加えてジョニー・マーのギターの素晴らしさは後に分かった話で、当時は歪んだ音でガツンとくるハードロック系のギターサウンドが好きだったから拒絶してた面もあり、もうちょっと耳が肥えてから聴けば素直に聴けたのかもしれない。ただ、今聴いていてもやはりどこかBGM的に流して聴いてしまう曲が多く、それだけソフトで馴染みやすいメロディと演奏を奏でていたのだろうから、ガツンとは来ない。

 まるで異なる聴き方として、こういう音を出すバンドは他にいるかとなれば居ないし、この歌にしても唯一無二だし、その意味でさすが英国のニューウェイブの代表、80年代の英国はスミスありき、その後はThe Stone Rosesだ、との文句も確かに、と納得する。そんな知識と感覚のまま久々に聴いているが、冒頭の静かな曲の甘いメロディやらキャッチーな楽曲に続き、やや激しめにポスト・パンク的に聴ける「Miserable Lie」がオシャレでドライブしていてややハッとする楽曲。その後はまたこれぞザ・スミス的曲が続き、やはりジョニー・マーの音の広がりのセンスの良さが響く。その中での「This Charming Man」のギターイントロのカッコ良さと曲の組み立てのセンスの見事さは突出している。リズムはモータウンながらもこの歌い方とメロディ、それでギターが空間系とこれまでに存在しなかった曲が繰り広げられているセンス。この曲でリスナーを多数掴んだのも納得の出来映え。その勢いを踏襲してか「Still Ill 」もビートの利いた展開で進められ、「Hand In Glove」は王道ロック的な雰囲気すら持つ良いメロディの楽曲でバンドの幅広さを物語っているし、その幅広さは次の「What Difference Does It Make」でも更に増長され、「I Don't Owe You Anything」のスミスらしい曲へと繋げられる。最後は「Suffer Little Children」と妙なバラードソングで終わりとなるが、今に至るまでリマスタリングされた事はあるようだが、ボーナストラック付きやデラックス・エディションはリリースされておらず、純然たるアルバムとして存在しているらしい。この辺はある意味男気あるバンドとも言えるが、元々がラフ・トレードなのでそこまでのソースが残されていないだけかもしれない。

 久々にじっくり聴いたがアナログ時代B面の後半の方が楽しめたかな。それでもやはり苦手なスタイルには変わりないし、今も昔も苦手な部類だ。それでも曲の良さとジョニー・マーのギター云々に対する感覚はこれもまた同じく、自分ではこういうギターを弾けるとは思えないし取り組むこともないだろうが、さすがに天才の閃きを感じるセンスをバシバシと聴ける素晴らしさがある、衝撃のデビュー・アルバム。





The Damned - The Black Album (Deluxe Edition)

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The Damned - The Black Album (Deluxe Edition) (1980)
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 ロンドンパンクの波は数年間だけ一瞬輝いたのみでシーンはすぐに移り変わり、また変貌していったのでその実、パンクはこの時期だけで終わった、とも見れる。その後地味にそのエッセンスを活かしながらシーンでは少しのバンドが存在している程度には根付いているが、今でも初期ロンドンパンクバンド達の伝説は語り継がれているし、それ以上の衝撃を与え切れていないかもしれない。ニッチな世界であれば近年のパンクバンドも相当尖っているのもあってカッコ良いので一概には言えないが、どうしたってパイオニア連中は強い。そのロンドンパンク勢でもホントにパンクだったのはSex Pistols、The Damned、The Clashで、The Stranglersはスピリッツはそのまま以上だが、音楽的にはあまりにも高尚すぎる、と言うか既にニューウェイブ、インダストリアル的方向にあり、The Jamはパンクと言うよりもモッズだった。その3つのバンドを比べてみてもSex Pistolsはアルバム一枚で終了、The Clashは早いウチにレゲエやダブと融合し、勢いだけのパンクだけではない方向へ転換、The Damnedもバンドが安定しなかったのもあるが、早々にニューウェイブな方向を持ち込んでいったが、それでも1980年頃なので、最初にパンクで出て来て一番長い期間パンクをやってたバンドだったとも言える。そのThe Damnedの1980年リリースの4枚目のアルバム「The Black Album」は、後のバンドの方向性を決定付けた新しい試みを奏でた作品として刻まれている。

 アルバム「The Black Album」はスタジオ録音が1枚半分あり、最後のD面はライブ寄せ集めで過去のThe Damnedのスタイルをおさらいしているが、その1枚半のスタジオ盤も、C面の「Curtain Call」が17分強を占めているので、実質アルバム1枚分に「Curtain Call」の抱き合せとなり、中途半端な長さで出来上がってしまったとの印象。2005年に「The Black Album (Deluxe Edition)」としてデラックス・エディションがリリースされた際に数々のスタジオアウトテイク曲、未発表楽曲が追加されていたので、真の2枚組アルバムとしてThe Beatlesの「White Album」の対抗作品としてリリース出来たのかもしれない。ところが1980年当時に上記のような中途半端な収録曲数でリリースされたのは、今聴き直してみれば分かるが、アルバム収録のレベルにある楽曲までには至らず、また、そもそも収録されている楽曲群もバリエーション豊かな点はともかくながら、そこまで粒揃いのレベルにない作品もあり、少々背伸びしてしまった感もあったようにも思う。一方、ボーナストラックに収録された楽曲群を目一杯2枚組アルバムとして未発表にしないでアルバムのあちこちに散りばめて収録していれば、きちんとした2枚組アルバムとして評価されたかもしれないが、いまさら何を言っててもそれは単なる夢物語。実際にはベストチョイスした楽曲を集めたらスタジオ盤で1枚半分となり、最後は勢いあるダムドのライブそのままを聴かせて新しい世界についてこれないリスナーを引き戻している作りとしてリリース。

 その甲斐あってか、アルバム「The Black Album」は自分もそうだがThe Damnedの歴史の中ではかなり上位を占める傑作アルバムに仕上がっていると思う。パンクバンドの作品として聴くとあまりにもバリエーション豊かにシンセサイザーやピアノまで入るのだから、似つかわしくない作風だし、ダムドのあの勢いは何処へ行ったのだ、と言いたくなる面もあるが幾つかはそういう不満を解消してくれるビートの利いたダムドらしい「Hit or Miss」のような曲もあるのだから文句も言い切れない。それよりもアルバム冒頭を飾る「Wait for the Blackout」のようにこれまでに聴いた事のないようなサウンドを奏でているダムドのセンスに魅力を感じるべきだ。「Dr Jekyll and Mr Hyde」などは墓掘り人夫だったデイヴ・バニヤンそのままの姿が表れているかのような作風で、音楽的に相当深化した曲が幾つも収録されている点に気づくし、そこが気になってみれば、その集大成が「Curtain Call」に詰め込まれており、この深みが出来てしまったからこそThe Damnedと言うバンドが以降はニューウェイブ、ゴシック・ロックの筆頭にもなったと思える。まさか数年前におバカなスタンスで騒いでいたパンクバンドがこれほどに深淵で荘厳なサウンドと歌詞、パフォーマンスを聴かせるなど誰が想像出来ただろうか。意外な才能が組み合わされたThe Damnedのもうひとつの最高傑作として名高い楽曲。その素晴らしさに浸った後のD面では勢いありまくりのパンクそのままのThe Damnedのライブが聴けるのだから振れ幅が広いし、奥深さを楽しめる素晴らしいアルバム構成。

 2005年にリリースされた「The Black Album (Deluxe Edition)」でのボーナストラックは本編に入っててもおかしくなさそうながらもあと一歩捻りが足りないと判断されたか、過去と未来を繋ぐような作風の「White Rabbit」、シンセの入ったパンクスタイルを模索したかのような「Rabid (Over You)」、何かのサウンドモチーフかと思われるようなギター中心のインストサウンドで構築されている「Seagulls」はやや実験的すぎるキライがあったか。「The History Of The World (Part 1) (Single Version)」は文字通りにシングルバージョンだが効果音不足やミックス違いが聴かれるので、アルバム収録前のバージョンから作られたようにも聞こえる。そのB面には「I Believe The Impossible」と「Sugar And Spite」が収録されており、前者はどうにも中途半端なミドルテンポのロックだがラフすぎるのと未完成っぽくもある楽曲、後者もややサイケがかったイメージ曲のようで、いずれもキャプテン・センシブルとラット・スキャビーズで録音した作品。「There Ain't No Sanity Clause」はパンクそのままのダムドの勢いあるスタイルが聴ける爆音作で、同じように爆音と言えば先のライブと同じシェパートンでの模様から収録されたMC5のカバー「Looking At You」が凄い。ここでしれっと入っているのが不思議なくらいに強烈なライブなのでぶっ飛ぶ事間違いなし。最後は「White Rabbit (Extended Version)」の拡張バージョンで締められたボーナストラックも楽しみ存分なボリュームたっぷりのデラックス盤に仕上がっている。オリジナルアルバムそのもののバラツキ感もありつつ、ボーナストラックも混ぜて聴いていると更に幅広い展開を広げていた当時のThe Damnedの姿が垣間見れる気がする。そんな葛藤があっての以降のスタイルへの変貌だったと知るとより一層楽しめていくだろう。そこまで考えずとも単純にこのアルバム、深みを味わえる傑作です。





Richard & Linda Thompson - Sunnyvista

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Richard & Linda Thompson - Sunnyvista (1979)
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 有象無象にプレイヤーがいるギタリストのポジション。そこで音を聴いて分かるプレイヤーになるのは相当の個性が必要になるし、それも一曲二曲の話ではなくキャリアも曲数も含めて知られるほどでなければ、またいつでもその特性が素人にも分かるような個性が無ければ記憶されない。適度にロックを知っている輩に知っているギタリストの名前を挙げてもらうとどれくらいの数が出てくるだろう。10人くらいは普通に出てくると思うが個性的な特徴も含めて挙げ連ねてくれと言われるとそれも厳しいような気がするので、それだけ一般的な楽器でありながら個性を出すのが難しい楽器かもしれない。もっともどの楽器でもそれは同じだし歌にしても同じくなので後は曲調や組み合わせなど色々な要素があってのミュージシャンの評価となる。英国のロックギタリストとしては名が挙がらないかもしれないが、いつ聴いても不思議な音色のギターが特徴的だと自分的には思うリチャード・トンプソンはいつかきちんと制覇したいと思っているミュージシャンのひとりだが、なかなか要領を得ないのがこれまた難しくて深いギタリスト。それでも音色には特徴があるので先日も思い出した次第。

 Richard & Linda Thompsonの1979年リリース5枚目のアルバム「Sunnyvista」はこのジャケットからしてかなり尖った作品と想像できるし、一方ではかなり挑戦的なジャケットとも思えるので躊躇もしたアルバム。聴いてみればリチャード・トンプソンらしいギターの音色がどこでも鳴っているのは当然なので、なかなか聴き応えのある作品だが、当時は迷作とまで言われたらしい。これまでのリチャードとリンダ・トンプソンのアルバムはエレクトリックトラッドから発展してやや民族的な曲調も取り入れたあくまでもそっちの世界に近い音作りだったが、前作「First Light」あたりからアメリカ人とのセッションを入れてロック的融合を果たし、本作ではミュージシャン関係は英国人に戻しているものの楽曲のバリエーションがずいぶんと幅広くなっているので、リチャード、何処へ行くのか、と危ぶまれた作品のようだ。後追いで聴いている限りではそこまで迷走した作品にも思えず、きちんとバリエーションごとの音色と楽曲が仕上げられている傑作に近いとすら感じているが、確かに楽曲単位で好みも出るし深さが異なるのもあるかもしれない。所詮音楽はそういうモノだから何ら違和感は無いが、それでもこれがリチャード・トンプソンの作品なのかと思うとワクワクしてしまう作風もあってギタープレイと共に味わえる。

 冒頭の「Civilisation」から軽快なロック作品が飛び出して快活にロールしてくれるのがまず意表を突かれるし、このギターの音色は相変わらずのリチャード・トンプソン節で、それでもここまで歪んだ音も際立つしシンセサイザーの音も時代を反映しているので斬新。曲そのものは踊りたくなるレベルにキャッチーなのでオープニングにはばっちりのロック曲。続いての「Borrowed Time」はハードロック調と言われる場合が多いらしいが、今の基準だと到底ハードロックには聴こえないので、そのヘンの単語の使い方はやや異なるが、それでもギター中心の作風に仕上げているこれもロック色強い作品でカッコ良い。それでもこの時代にこんな妙なロックを聴かせながらハードロックだと言える作品もないし、単にギターがいつもよりも凝っててヘヴィに鳴らしている、という程度だろう。それでも曲はミドルテンポでどこかダイアー・ストレイツ風味もする。そして軽快なケイジャン的リズムで奏でられる「Saturday Rolling Around」も明るく快活でリンダの良さが飛び出してくるエレクトリックフォーク風味のある味付け。そういえば本作にはフェアポート・コンヴェンションからデイブ・ペグデイブ・マタックス、スティーライ・スパンからジョン・カークパトリックも参加し、更に鍵盤でラビットまでも参加しているので何かと昔の仲間との再会を果たした意味合いも大きいようだ。そのジョン・カークパトリックのアコーディオンが綺羅びやかにオープニングから飾ってくれる「You're Going to Need Somebody」も軽快でついつい踊りたくなる楽曲。リチャード・トンプソンのギターとの絡みもさすがにばっちりで、音色的にも近しいムードなのは機器やすさを増しているようだ。A面最後はスローリズムでシンプルな「Why Do You Turn Your Back?」で歌を聴かせる作風へと展開するも面白みにはやや欠けるが、アクセント的にはありな曲。

 B面は概ねリンダのボーカルがフューチャーされてガクンと雰囲気の変わる曲が並ぶが、リンダの歌声の場合はいわゆるトラッドフォーク系のクリスタルボイスではなく、やや粘り気のある歌声でもあるので先程までの軽やかさから湿ったムードへと変わっているようにすら思える「Sunnyvista」からスタート。続いての「Lonely Hearts」もしっとりしてリチャード・トンプソンのギターの音色が美しく響くバラード調の曲でロック路線からは大きく離れていくし、次の「Sisters」も歌もので聴かせてくれる作品。リチャード・トンプソンのギターソロがいつもながら個性的で無国籍感溢れる叙情性とでも言うのか、ホント、この人のプレイだと分かる音色。そして打って変わって時代を反映するかのようにファンクソウル系のリズムとパーカッションを使った「Justice in the Streets」が斬新なファンキーに聞こえてくる。特にリチャード・トンプソンがこういうのをプレイする意味もさほど無さそうだが、ギターを聴いていると、こんなファンキー曲で到底こういう風に弾くプレイヤーも見当たらないので何とも奇妙なサウンドを耳にしている気分。アルバム最後を飾るのはこれまたリンダの雰囲気たっぷりのバラードソング。A面の警戒で快活なロック風作品からB面は聴かせるサウンドとアルバムが構成されており、それでもどれでもリチャード・トンプソンのプレイに耳が惹き付けられるものの、曲としても色々と試した作品だったようだ。

 1992年にCDで再発された時に当時のシングルだった実にスタンダードなリチャード&リンダ・トンプソンらしい「Georgie On A Spree」が追加されている。その後は2020年にボックスセット「HARD LUCK STORIES 1972 - 1982」がリリースされた時に多数の未発表マテリアルが追加されているようだ。夫婦デュオでしばらく上手く続いていたがいつしか二人は離れてユニットも解消し、80年代を通過していくが、個人的にはこの活動はずいぶんとリチャード・トンプソンを成長させたとも思えるし、思い切り飛び出す瞬間を阻害したとも思える。以降のリチャード・トンプソンの音楽遍歴を見ているともっと早くからこういう個性的ギタリスト面を出した作品を出せていれば、とも思うが実際どうだったのかはもちろん知らない。