ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

Nightwish - Decades:Live in Buenos Aires

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Nightwish - Decades:Live in Buenos Aires (2019)
ディケイズ:ライヴ・イン・ブエノスアイレス[初回限定盤Blu-ray+2CD(日本語解説書封入/日本語字幕付)]

 ナイトウィッシュもボーカルがフロール・ヤンセンに変わってから既に結構な年月が経っている。そのメンツでリリースされたアルバムはまだ一枚しかないが、6年位は経過しているだろう。その間ライブはかなりの本数やっているからライブ映像やライブアルバムなら幾つか出ているし、今回もまた2018年のブエノス・アイレスのライブをリリースしてきた。これも日本盤は少々遅れてのリリースだが海外盤は既に発売しているので、そちらを見てのお話。それでも日本盤がリリースされるのは今時珍しい。

 Nightwish「Decades:Live in Buenos Aires」。2時間強に渡るライブをそのまま収録しており、ブエノス・アイレスの1万人弱程度の会場で恐ろしいほどの熱気に包まれている。南米でのメタル系のライブは大抵どのバンドも記録に残したくなるくらいの熱気と狂気に圧倒されるようなので、ナイトウィッシュも同じくだろうが、見ているとそりゃそうかと納得する。これだけ異様に盛り上がり会場が揺れるのは常に南米くらいのものだろう。国民性の話になるだろうが、メタルバンドが宗教の教祖のように見えるもん。そういえばクイーンがこの辺を開拓していたが、その時も異様な熱気に包まれていたからロックそのものが宗教的なのかも。いや、多分アイドルでも誰でも同じか。面白いよな、ホント。

 ライブそのものはアルバム「Endless Forms Most Beautiful」のツアーで日本公演も来たから数回見に行った内容とほとんど同じだったのでしょいと記憶を思い起こした。それでも正直そこまで凄いライブという印象でもなかったのは自分だけの印象だろうか。それともそれなりに皆年老いていったからパワー不足になった?それも無いだろうから、バンドが安定したと見るべきか。Wackenの頃のライブの方が白熱していた気がするのだが、アレが特別なのかもしれない。今回はほぼ新作からの曲ばかりなので、そこまで思い入れの無い曲が多いからの可能性もあるか。それでもどうもイマイチ感あったが、もう一度見れば何か変わるだろう。







British Lion - The Burning

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British Lion - The Burning (2019)
ザ・バーニング

 先日とあるライブ会場に行くと年季の入ったメタラーらしき方々が「ブリティッシュ・ライオン行った?」「良かったな」との会話をしているのを幾度か聞いた。丁度その頃に来日してライブしていったのだろうが、自分的にはそこまで知らなかったので、ブリティッシュ・ライオンってモット・ザ・フープルの残党達のバンドが今日本に来てるのか?と一瞬不思議に思ったが、当然そんな事なく、その後すぐにスティーブ・ハリスのバンドの事を思い出した。これもまた妙な話で、そもそも自分がやりたい事を始めたのがアイアン・メイデンだろうし、それがあまりにも巨大化してしまったから音楽の方向性を変えるワケにもいかず、新たな取組を図るワケにもいかないと言う大企業病とも言える状態に陥っている。そこでスティーブ・ハリスは別バンドを作り、そこでこじんまりと元来やってみたかったサウンドの探求を始めたようだ。

 当然ながらそのバンドに対して熱意はあるものの、新たな息吹をシーンに吹き込むほどの革新的なサウンドを持っているワケでもないから往年の大英帝国らしいハードロックバンドの姿が聴ける。それで良いのだろう。そんなBritish Lionの2019年のアルバム「The Burning」。正直書けばこれくらいの曲だったらスティーブ・ハリスも簡単にベース弾けちゃうだろうし、何らトリッキーな事もしないだろうし出来ないだろうし、あまりにも普通なハードロックスタイルのバンド。当然それなりに仕上がっているし楽曲が悪い事もない。ただ、どれもこれも同じような曲調が並ぶので単調になりがちなアルバムとも聴ける。それが売りだ、と言えばそうかもしれないが、さすがに今の時代にそれはちょいと飽きる部分が大きい。少なくとも自分はそう思った。

 それでもしっかりとバンドらしいまとまりを見せているし、ひとつのスタイルを確立しているのも確か。今のシーンでこういう音を持つバンドもあまり無いと言えば無いので、その意味では必要なバンドとも言える。いわゆる80年代にいたバンドのようなスタイルに近いサウンド。そこまでハイトーンが売りでもないからそこからちょっと地に足付けた感あるが。スティーブ・ハリスの超絶ベースが何箇所かで聴けるので、そこはさすがに面白い。更に楽曲の中でもやはりスティーブ・ハリスらしいな、というフレーズや音の使い方はあるので、その意味では研究して聴くと面白さは増すだろう。





Lacuna Coil - Black Anima

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Lacuna Coil - Black Anima (2019)
Black Anima

 いつしか妙なメイクを施してどこかコケティッシュなバンドに成り果てていった既にベテラン領域に入っているイタリア出身のラクーナ・コイル。こんな格好するにも結構な年齢になっているような気もするが、そういう話でもないのだろう。同じようなルックスのバンドがひしめき合う中で多少なりとも目立つ容姿は必要になるのかもしれないし、バンドの中でも飽きが来たから変化を求めたのか、そもそもその傾向にあっただけなのか調べてもいないが前回のライブアルバム集大成の時にそんなメイクに出会って少々驚いた。今回もアーティスト写真では同じメイクを施しているので、しばしこれがバンドの姿とするようだが、PV見ると普通だし、深い意味は無いのかも。

 Lacuna Coilの2019年9枚目の作品「Black Anima」。一言で書けば相変わらずのラクーナ・コイル作。重低音ギターのヘヴィサウンドに野獣の咆哮とばかりの歌声とクリスティーナの太くも艷やかな歌声が程良く交わり相変わらずの世界観を聴かせてくれる。ある種安心して聴いていられるサウンドだが、幾つか実験的と言うか新たなチャレンジも繰り広げられている点はバンドの進化だろう。ファンを裏切る事なく徐々に進化し、楽しませてくれるもっともファンが付いていきやすい進化は好ましい姿。相変わらずのセンスの良さもイタリアならではか。アルバムジャケットの品位もヨーロッパ的で非の打ち所のない作品として仕上がっている。凄いな。

 アルバムを一通り聴いてて思ったが、これまでの作風ながらも随分と聴きやすさが漂っているのはどうしてだろうか。アメリカ的快活さが吸収されているようにも聴こえないし、かと言ってヨーロッパ、イタリア的なサウンドだけでも無いだろうから、不思議な融合とミックス加減が果たされているのか。単純に洗練されてハイレベルに磨かれたセンスで作られたから高品位な作風が並んでいるだけかもしれない。いずれにしてもどこからどう斬っても聴き応えのある、そして素晴らしき時間を楽しめるアルバム。





Marko Hietala - Pyre Of The Black Heart

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Marko Hietala - Pyre Of The Black Heart (2019)
パイアー・オブ・ザ・ブラック・ハート[CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)]

 ほう…、そんな作品がリリースされているのか、といつもの事ながら気づくのが随分と遅くなる。割とアチコチ見て回るが、それでも全部を網羅して情報収拾していないから知らぬ間にリリースされる、気になる人たちのアルバムも数多い。挙げ句最近のアマゾンはブートレッグ盤も続々とオフィシャルのフリして新着リリース情報に出て来るから紛らわしくて困る。もう著作権は存在してないのかな。それならそれでアレはすべてオフィシャルアイテムになるのだろうか。ハーフオフィシャルと言われた不思議なアイテムも昔は存在したが、それに近い状態のアイテムだろうか。単純にブートレッグだとは思うが、今時の時代にそれをプレスCDでリリースしているのなら、大したものだ。採算合うのか?と気にはなるところ。

 Nightwishの野獣、Marko Hietalaがソロ・アルバム「Pyre Of The Black Heart」を地元フィンランドでリリースしてて、そのインターナショナル版がもうじきリリースされるらしい。インターナショナル版とは即ち英語ボーカルバージョンとなるが、フィンランド語バージョンもSpotifyで聴けたので存分に楽しんでしまった。マルコと言えばナイトウィッシュのライブでもギター弾いて歌ったり、当然ベースで野獣コーラスしていたりと音楽的才能をフルに発揮してバンドに貢献している姿を目にするが、それだけでもその才能の豊富さは分かるので、初のソロ名義アルバムではどういうサウンドを出してくるのか興味深かった。それもあって早速聴いていたが、なるほど、やはり質の高い作品が立ち並ぶ。ヨーロッパの風格、品格、北欧の品位に荘厳なスタイル、すべてがハイレベルな楽曲に仕上がっていて見事なアルバム。

 旋律はフィンランド的ヨーロッパ的、音色も然りながらピアノにギターに数々の民族楽器に加えての当然なヘヴィサウンド、荘厳なシンフォニック面は強調されておらず、民族面が強い作風とも言えるが、それも承知の上での作品。マルコの野獣の叫び声は案外と堪能できる曲も少なく、もっとしっかりと普通にボーカリストしている。巻き舌が心地良いのはフィンランド語バージョンだからか。それにしてもここまでハイレベルなアルバムがソロ作品で出せてくるのは驚いた。





King Crimson - Three of a Perfect Pair

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King Crimson - Three of a Perfect Pair (1984)
Three of a Perfect Pair

 視点を変えて聴いてみればなるほどそういう面白さがあるのかと気づくアルバムも多い。ロック目線だけで聴いていると許せないし、過去からの流れもあるから終わった感も出てしまうが、今回はベーシストのベースマンらしさを聴いていったが故に、その目線でならばこの作品も納得できてしまった。King Crimsonの1984年作「Three of a Perfect Pair」。ベーシストとして名が挙がるのはトニー・レヴィン。今に至るまでクリムゾンのベーシストとして君臨しており、そのテクニックやセンスを惜しげも無く披露している姿は何度かの来日公演でも知られているだろう。

 このアルバムは70年代クリムゾンの歴史から語るとどうしたってプログレの流れでもないし、ポリリズム強調の妙なサウンドパターンで掴みどころもない作品として捉えていたが、ベーシストとしての革新性に加えて当然ながらサウンドそのものの革新性も持ち合わせている事に気づいた。気づいたと云うか、なるほどそういう事だったのかとようやくフリップ卿がやりたい事を理解し始めたと云うべきか。40年経ってから気づいてどうする、とも思うが好みじゃなかったんだからしょうがない。新たな目線で聴いているとこれはこれは面白みのあるサウンドが詰め込まれているじゃないか。フュージョンファンクの流れやプレイヤー目線での取り組み、そこにフリップ卿のロングトーンギターが重なり、トニー・レヴィンはバカスカとスラップを繰り広げていたりとバンドのアンサンブルも当然見事なテンションを維持したハイクォリティな作品。これまでダメだこりゃ、と思っていた側面は何処へやら、実に面白いアルバムじゃないか。

 音楽的な革新性を打ち出しながらジャズともロックとも区別付かない世界へと飛び込み、更に緊張感溢れるプレイによって昇華させてのクリムゾン節。叙情性は断片的に抑えつつも、ここではアグレッシブなミュージシャン同士のぶつかり合いを相変わらず繰り広げているし、テンションの高さも当然ハイレベル。ホント、今更ながらこのアルバムの面白さを楽しんでいる。これにてしばらくクリムゾンも沈黙するが、当時この音楽性の深さに気づいていた方々は残念に思った事だろう。



Level 42 - Level 42

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Level 42 - Level 42 (1981)
Level 42

 昔からロック・フィールドにいないベーシストでも名前を知っているのは、相当メジャーな人だからだろう。マーカス・ミラーやジャコパスも同じくだが、マーク・キングもその中の一人。80年代に入るとジャズフュージョン、フュージョンファンクがこれまたあれこれと融合を果たしていった事からどこかに属する事のないクロスオーヴァーサウンドを奏でる連中が出て来た。そこでベースラインと軽やかな歌を強みとして出て来たバンドにシャカタクとレヴェル42がいる。自分でも少々びっくりしたが、このブログにレヴェル42が取り上げられた事が無かった。そうかそうかと、それならば最初のアルバム「Level 42」から聴いてみるかと。

 1981年リリースのファーストアルバム「Level 42」は出だしからして軽快でチョッパーバリバリのベース、そこに軽やかな歌声と言うよりもコーラスワークと言うようなボーカルが入り込んでのサウンド。ここまで見事に軽いサウンドが展開出来るのかと思うくらいだが、面白いのはその中でどの楽器もかなりとんでもない事をサラリとやっている辺り。ベースも然り、鍵盤にしてもこの時代にしては新しく斬新な取り組みをしているし、楽曲構成も実は複雑だったりとそりゃ当然だが、素晴らしくも音楽的に作られているアルバム。マーク・キングの超絶ベースプレイがサラリと聴けてしまうミックスも素晴らしいし、それを武器にしないバンドのスタンスも面白い。実際には武器になっているのを前に出してないだけだろうが。

 あくまでも音楽の軽快さを中心に出した作品で、決してベースプレイを売りにしてはいないが、その分音楽性の高さやメロディ、旋律の美しさは群を抜いての出来映えだろう。おそらくどこの誰も気にする事のない軽快なサウンドで、何かのBGMになっていても気にならないし、じっくりと聴いてみればその深みにハマれるし、決して邪魔にならない音楽。イージーリスニングと片付けられもするが、その実面白いサウンドを創り上げている。自分も昔はこういうの全然聴けなかったし、今聴けるようになっているのはベース面から聴いているからだろう。ただ、ガツンとは来ないからたまに聞く程度にはなるか。