ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

「note」マガジン発刊

-

Jimi Hendrix - Blue Wild Angel (Isle of Wight) 1970 (2002)

0 Comments
B016W638KE

 1970年9月18日ロンドンのホテルでガールフレンドによりジミ・ヘンドリックスの遺体が発見された。享年27歳の若さで逝去。多くのロックミュージシャンが影響を受け、また哀しみの弔電を打ったと言う。ロック界の寵児、天才ギタリストと呼ばれるジミヘンだが、今なお彼を超えるギタリストは存在しない。数百年に一度の素材以上の人物だったかもしれないと思うくらいにロックを知れば知るほどジミヘンの凄さを知る。聴けば聴くほどにいくつも発見があり、映像を見れば見るほどに感心する紛れもなく天才。

 有名なジミヘンの命日です。もう38年前の出来事だけど今でもナマナマしくアチコチに登場するジミヘンは到底昔にいなくなったギタリストとは思えない程現代に生きている。それも恐ろしい事ではあるけど、今でもCDやDVDが続々とリリースされているし、雑誌にはほぼ定期的に出てくる影響度の凄さはピカイチ。それだけに情報量も多いけどまだ解明しきれない事実も多い。どうやってギター弾いているか不明な映像もある。

 逝去18日前となったワイト島フェスティバルの様子がオフィシャルDVD「ブルー・ワイルド・エンジェル ̄ワイト島のジミ・ヘンドリックス」でリリースされ、生前最後のライブと偽った宣伝文句もある。ワイト島以降もジミはライブやってるけど正規には映像も音も出てないだけで、死ぬ前までライブはありします。ここまで素晴らしい映像で残されていないし、そういう意味で確かに生前最後の勇姿を堪能できる映像か。

 ジプシーズになってからのジミヘンはファンクな方向に走っていたのであまり好みではなかったけど、ドラマーにミッチ・ミッチェルを戻してからはまた昔のようなロックの輝きを取り戻したライブなので聴きやすい。ビリー・コックスのベースはどちらでも良いが、ミッチのサポートはジミには絶対必要。ワイト島のライブはそんな三人のライブながら、ジミもかなり調子が良く、ギターも歪んでいるので初期に戻ったサウンドでノイジーに攻め立ててくる。裏話ではこの頃は相当ストレスの溜まる出来事やビジネス上やレコーディングの不満、マネジメントの確執とあったが、ステージでは怒りの発散か、己の感情の赴くままにプレイしている。決して白熱したライブではなく、内に秘めたプレイに近い。

 全編そんな感じで、モロにジミのその時の感情が出ているのは最後の最後、「In From The Storm」の演奏後、観客に挨拶してストラトを引きずってステージに捨ててバックステージに去るシーン。これほど投げやりになるのも空しさだろう。演奏だけ聴けばそうでもないが。それとストラトメインは相変わらずだけどフライングVのプレイも見れて楽しめる。しかしこれだけ無表情に熱い演奏出来るのは凄い。音だけでは物足りないので是非DVDで見てもらいたい。





USbluesrock

Free - Isle of Wight 1970

0 Comments
B0CM3FVWYY

 Twitterで知っただけなのだが、まさか今こういう作品が別途CDでリリースされるのは果たしてどういう意味合いなのだろうか、と不思議に思うくらいのリリースとなったフリーのワイト島ライブの当然ながら音だけのアルバム。DVDでリリースされてて、そこも確か音だけ完全版的なのあった気がしてたけど、それも古い話だから今どきの機材で綺麗にしてきちんと残しておこうという意図であればありがたい代物になる作品。その昔はブートレッグで登場してものすごい話題になった事もあったが、それももうン十年前の話なので自分の知識の古さをアップデートしていかないといけない。今更ながら改めて聴いても唯一無二の個性を放つバンドとサウンドで、どれだけ音をデカくしてもうるさくない不尻なロックバンド、いや、ブルースロックバンド。今も昔もポール・ロジャーズの歌声は変わらないし、今の方が更に歌が上手くなってるのだから恐れ入る。

この辺ならChatGPTも頑張れるかな、と思ってちょいとプロンプトを増やして書かせてみたのがコチラ↓

Freeは、1968年に結成されたイギリスのロックバンドで、ヴォーカリストのPaul Rodgers、ギタリストのPaul Kossoff、ベーシストのAndy Fraser、ドラマーのSimon Kirkeからなる4人組でした。彼らはブルースロックの要素を取り入れつつ、力強いヴォーカルと感情豊かなギタープレイで知られ、特に1970年代初頭に大きな成功を収めました。

1970年、FreeはIsle of Wight Festivalに出演し、そのパフォーマンスは彼らのキャリアにおいて重要な出来事となりました。彼らのライブは、彼らが持っていたエネルギーと情熱を余すことなく表現したもので、多くのファンや批評家から高く評価されました。

バンドの結成当初から、Freeはブルースロックの枠を超え、他のジャンルからも影響を受けていました。彼らの初のアルバムである『Tons of Sobs』(1969年)や、その後の『Free』(1969年)は、バンドの成熟した音楽スタイルを示していましたが、本当のブレイクスルーは『Fire and Water』(1970年)によって訪れました。

このアルバムに収められた「All Right Now」は、バンドの最大のヒット曲となり、その積極的なリフと熱いヴォーカルで一躍彼らを有名にしました。この成功により、Freeはアメリカでも注目を浴び、国際的なスターダムにのし上がる過程に入りました。

Isle of Wight Festivalは、1970年8月30日に開催された音楽フェスティバルで、その時点で既にウッドストックなどと並ぶ大規模な音楽イベントとして知られていました。Freeはこのフェスティバルでプレイする機会を手に入れ、数多くの他の著名なアーティストと同じステージに立ちました。

彼らのパフォーマンスはまさに熱狂的であり、特に「All Right Now」の演奏は観客を魅了しました。彼らは音楽的な実力だけでなく、ステージ上でのパフォーマンスでも観客を引き込むことに成功しました。このライブは、Freeが本格的なライブバンドとしての地位を確立し、その実力を世界に示す場となりました。

批評家たちはこのライブを絶賛し、Freeの音楽がスタジオレコーディングだけでなく、ライブパフォーマンスでも素晴らしいものであることを確認しました。彼らの演奏は感情豊かで力強く、特にPaul Rodgersのヴォーカルはその場にいる全ての人々の心をつかんで離しませんでした。

Isle of Wightの舞台裏では、バンドメンバーはバンドが新たな段階に進むことを感じていました。成功したシングル「All Right Now」に続き、バンドはアルバム『Highway』(1970年)をリリースし、その中でさらに幅広い音楽性を示しました。このアルバムは「The Stealer」や「Be My Friend」といった曲が収められ、バンドが持つ多様性と成熟度を証明しました。

Isle of Wightでのライブは、Freeにとってターニングポイントとなりました。このパフォーマンスにより、彼らの人気は急上昇し、国際的な注目を集めることとなりました。これはバンドのキャリアにおいて大きな飛躍であり、彼らがその後も精力的に活動し続ける原動力となりました。

彼らの音楽は、その後の数十年にわたり多くのアーティストに影響を与え、特にハードロックやブルースロックのシーンにおいて、Freeの足跡は大きく残りました。Paul Rodgersの力強いヴォーカルスタイルは多くのシンガーに影響を与え、Paul Kossoffのギタープレイは数多くのギタリストに敬意を払わせました。

総じて、Isle of Wight 1970のライブはFreeにとって転機となり、その後の成功への礎を築いたものでした。彼らの音楽は多様性とエネルギーに満ちており、そのライブパフォーマンスは彼らの才能と情熱を最大限に引き出したものでした。これはまさに彼らが新たな段階に進むための起爆剤となり、その後のアルバムやライブでさらなる成功を収める原動力となりました。



Brian Johnson - TV

0 Comments


 ロバート・プラントの交流関係ってのはあまりよく知らない。この人の場合は誰かのレコーディングに呼ばれる事も少ない、と言うかキャリアの割に全くないと言うに等しく、それは単に歌声が一発で分かるくらいの個性を放っているからと、誰かの何かを歌っても全部音階やメロディがロバート・プラント節になってしまい、普通にコーラス付けるとか歌い回すみたいな事が出来ない、やっても合わない事が多いからじゃないかと勝手に思ってる。なので今やってるアリソン・クラウスとのデュエットが長続きしているのも不思議だし、故に楽しいから長続きしているとも思える。本人は昔インタビューでもZeppelinの幻想に囚われててなかなか前に進めないみたいな話もあったが、そもそもあの歌い方と音の取り方や出し方では超個性的過ぎてZeppelinしか合わなかっただろ、とも思うが、それを具現化した超絶ジミー・ペイジの才能もさすが。

 ところがちょいと前にふとYouTubeでロバート・プラントとAC/DCのブライアン・ジョンソンが、ポール・ロジャーズのライブに飛び入り参加して「Money」を歌っている映像が流れてきて、そりゃそのメンツだったら何かって気になるから見てたワケ。当然曲が曲だから何も特筆する点はないのだけど、ポール・ロジャーズの歌の巧さは相変わらずの絶品で…と、この時点の彼のライブは多分「Free Spirits」ツアー、つまり70年代のフリー時代に遡ってのスタイルだったからバンドメンバーもそういう風情と音を出す連中を集めてて、それだけでも古臭かったのにこのメンツだ。それこそバンドメンバーからしたら往年のアイドル達と一緒にステージでプレイできるなんて夢にも思わなかっただろうが、羨ましい限りだ。

 そしてライブはホント、お遊びジャムでしかないけどポール・ロジャーズの歌は圧倒的に上手いの一言。続いてのブライアン・ジョンソンは当然あのスタイルだからいきなりディストーションオン状態で全く楽曲と似合わないAC/DC的サウンドが出てくるから面白いが、ルーツは一緒なんだなとつくづくロックの幅の広さを思い知らされる。そしてロバート・プラントがハーモニカでソロを吹いてからの歌になるが、やっぱり浮いてしまうのはこの個性的なセンスのメロディと歌いまわしと無音階感覚的な部分で、よく知られるサビになってもなんか違う。つくづくZeppelinしか出来ない人なんだなぁと思うが、70年代を代表するバンドのフロントマンがこんな風にセッションしちゃうってのも凄い。

 そのきっかけは多分ブライアン・ジョンソンの人柄の良さだろうか、YouTubeでBrian Johnson TV♪なんてのを作って様々な人達をゲストに迎えてトーク番組をやってるくらいだから、こういう機会もちゃんと作れるのだろう。これも幅広くて面白くてさ、この辺のメンツからメタリカのラーズとかまで出てくるワケ。その意味ではそりゃジョーディーの頃の70年代英国ハードロック黎明期の側面から、AC/DCのいわゆるHR/HMの大御所的扱いが持つ連中との絡みになるので面白い。



Jimmy Page - Rumble (2023)

0 Comments


 ジミー・ペイジが公共の場で久々にプレイした、と話題になって見ればホントにギター弾いてたので驚いた。今じゃもうカネで動くこともないから本当に本人が好きで良い企画じゃなきゃプレイしないだろうし、それもそんなに機会はないだろうからこのニュースはちょいと驚いたネタだった。蓋を開けてみると「Rock and Roll Hall of Fame 2023」でどういう理由かは把握していないが、2005年には亡くなっていたリンク・レイの有名曲「Rumble」を2分強程度だけ、例のダブルネックの12弦側でひたすら弾いている。さすがにジミー・ペイジが子供の頃から大好きで聞いていた曲だから、どこもかしこもよくコピーしていて、音色もフレーズもちょいとモタつく単音フレーズもすべてジミー・ペイジらしい、つまりリンク・レイの影響が強かったとも見えるが、なるほどなぁ…と思う演奏シーンでとても感慨深く見させてもらった。多分足りないのは若気の至り的なやんちゃなロック的勢いだけだが、これはもうしょうがないので、このプレイで存分に余韻に浸るのみ。

 ちなみにこの曲は、ジミー・ペイジがU2のエッジやホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトと一緒に出ている「It Might Get Loud」と言う映画の中で、ジミー・ペイジが多分自分の家のオーディオルームでわざわざシングルレコードを探して流している曲だ。そこでもジミー・ペイジはノリノリでエアギターを弾いてくれているが、よほど印象に残った音だったのだろう、そんな少年ジミーの姿がこの演奏でようやく日の目を浴びたと言うか、それこそやりがいのある企画だっただろうし、久々に人前で弾いても良いと思えたアイディアだったのだろうと思う。実際弾いている時のジミー・ペイジの表情と来たらもう子供の頃そのままで、満足度は高かっただろうなぁと。

 見ててふとバックのドラマーに見覚えがあると思ったらアントン・フィグだった…、実はアメリカのセッションドラマーとしては実に名高く数多くのセッションをこなしている人で、自分的にはジョー・ボナマッサのライブをひたすら見てて馴染んだ人だけど、来歴見ると凄くてね。70年代KISSの影武者ドラマーだったってのが一番インパクト強いとは思うけど、軽やかながらも的確なプレイで誰にもマッチするだろう本当に上手いドラムプレイな感じだが、ジミー・ペイジが今回アントン・フィグをチョイスしたのは圧倒的にリンク・レイ本人とジャムっていた事のあるドラマーだからという一言に尽きるだろう。ベーシストのティム・ギボンズはどういう経由かわからないけど、スタイル的なものかな、そういうの見るとプレイするってのは単純なものじゃなくてやはりちゃんと人選したり色々あるんだなぁと仕事だから当然ながらもシミジミと思ってしまう。

B09RGQRF3B

Andy Taylor - Stairway To Heaven (2023)

0 Comments


 Andy Taylorと言えば当然Duran Duranのギタリストで名を馳せた方の印象しかないが、Duran Duran全盛期を支えながらも、バンドから離脱しているから、ある種バンドの衰退の要因を作ったメンバーとも言える。その後の動きが割と面白くて、ご存知The Power Stationの活動で案外ロックに寄ったサウンドを出してきて、ドラムはシックのあのサウンド、ベースは同僚ジョン・テイラー、ボーカルはなんとロバート・パーマーと言うスーパーセッション的なメンツでアレだ。更にライブエイドで有名になったが、ライブ活動はロバート・パーマーが参加を断ったため、Silverheadのマイケル・デ・バレスを起用すると言うこれもまた何ともロックな人選で当時はさほど響かなかったが、今なら妙に感嘆する面々の集まりだ。そこでの音楽的冒険やチャレンジが思いの外、性に合ったようで、以降はプロデュース業に比重を置くことになるが、この時期のパートナーがこれまた意外な事にSex Pistolsのスティーブ・ジョーンズだった。

 更に意外な事にプロデュース絡みではなんと、ロッド・スチュワートの「Out of Order」でも活躍していたようで、そういう才能に恵まれていたからなのか、結構なネームバリューや実力値で人脈も広がったのだろうとも思われる。途中Duran Duranとの再結集もあり、今また参加しているなどあるようだが、それよりも何よりもなんでまたここで登場したかと言うと、「ロバート・プラントが天国への階段を久しぶりに歌っている」と話題になったから。彼自身が自分のバンドでやる事はないし、かと言ってZeppelinではないし、ジミー・ペイジのハズもないだろうから、一体どういう事だろう?と不思議に思って見れば何と、アンディ・テイラーの復帰ライブのスペシャルゲストで登場して、そこで「天国への階段」と「ブラック・ドッグ」だ。

 アンディ・テイラーってロバート・プラントとそんな次元の付き合いがあるのか?とか色々勘ぐってしまうけど、表面上はあまり何も出てこないから分からん。ただ、「天国への階段」をサラリとやってきて歌っても良いよ、なんてそう簡単にYesと言うようにも思えないし、それなりの関係性があったんだろうなぁという気がしてる。もっとも日本に来てテレビでちょっとやってよ、と言ったら割とすんなりやってくれたという実績もあるから本人はあまり拘りがないのかもしれない。今回も終盤の一番盛り上がるところでは真逆にトーンダウンしてひっそりと終わっていったバージョンになってたから、これならアリなのかなと。天にも昇る気持ちでプレイしていたのはアンディ・テイラーと一緒にやってたバンドの連中だろうか、特にギタリスト君はレスポール持って、まさかロバート・プラント本人と一緒にあのギターソロを弾く時が来るなんて夢にも思っていなかっただろうし、全く羨ましいものだ。長生きしてると色々あって面白い。

B0CC6KBQCN